祭 神:塩土老翁神 素盞鳴神 生国魂神 説 明:栞には、 「当神社は神功皇后三韓より帰られし時、この地に塩土老翁神を 祀るべしと詔し給ひてお祀りしたのが当神社の起源と伝えられ ています。 敏達天皇拾年八月、掃守連矢負を遣わして奉幣し神戸(神社の 神田、神領)を定められました。 醍醐天皇延喜の聖朝式内の祀典(式内社)に列せられ従五位上 授けられ、承平弐年五月正五位上に進められました。 その後、鳥羽天皇天永四年、原村(今の仁徳陵の付近)に座す 素盞嗚命・木戸村(所在不詳)鎮座の生国魂命を当社に併せ祀 り、開口三村大明神と号し堺の氏神として崇敬されました。 当神社の主神塩土老翁神様は住吉の大神様(上筒男、中筒男、 下筒男)を一つにしてその御神徳を現わしたと云われる神様で 昔から住吉の奥の院といわれます。」 とあります。 また、「開口」の意味は、「海に向かって口を開く」。 港口だったのでしょう。 天平十八年(西暦746年)行基が境内に念仏寺を建立し、大同 元年(西暦806年)空海が宝塔を建てたことで大寺とも呼ばれ、 当神社所蔵の「大寺縁起」は重要文化財に、指定されています。 住 所:大阪府堺市甲斐町東2丁目1−29 電話番号:0722−21−0171 ひとこと:塩土老翁神といえば、物知り神として有名ですね。 製塩法を人民に伝えたり、神武天皇や、山幸彦に助言をしたり。 海の神様で導きの神様・・・なんだけど、住吉大神(三筒男) を一体にした神様だという説は、不勉強ながら、始めて知りま した。 三筒男は、伊邪那岐命が黄泉の国から帰ってきて、筑紫の日向 にある阿波岐原で禊をした時化生した神様です。 対して、塩土老翁神の初登場は・・・と。 山幸彦が兄・海幸彦の釣り針をなくして途方にくれている時に 助言に現れたのが初の登場ですね。 山幸彦は、伊邪那岐命から数えて、5代目の子孫ですから。 そりゃぁ、三筒男も老翁になってる・・・かなぁ? 世界の神話を眺めた時に、海の老人は、「物知り」と言うこと が多いです。 ギリシャ神話で「海の老人」と言えば、「プロテウス」という 神がおられます。 海神・ポセイドンの息子とも言われ、予言をなす神です。 ケルト神話では、「片目の老人」オーディンがそれにあたるで しょうか? 彼は、知恵の泉の水を飲むために、片目を巨人ミーミルにあげ てしまうんです。 知恵と水には深い関連があるのですね。 塩土老翁が物知りである、という発想も、「波は、どこへでも、 流れ付くから、いろんなことを知っているだろう」というとこ ろから来ているんだそうです。 さて、この神社の神紋は、おもしろい三つ茄子。 もともとは、「三つ巴」だったところが、氏子さんから、珍し い、「三つ成り茄子」を奉納されたので、このような神紋にな ったとか。 塩土老翁神が、三つ成りの茄子を手にしているところを想像す ると、なんだか、とてもほほえましいですね。