祭 神:建葉槌命 説 明:茨城県神社庁発行の、「茨城県神社誌」を引用します。 「創立年月日不詳。 大同二年再建(社伝)。上古建葉槌命、鹿島香取二神の命をうけ、天の甕星亦の名 香々背男を討給ひしに、大甕(久慈郡)の山に香々背男命、大石に化し、周四丈、 高さ五丈、日夜に長じ、高天原日若宮を毀損するおそれあり。天神相議し鹿島・香 取二神をして図らしめた。命をうけた建葉槌命、その石を蹴ったところ三段にとび、 その一つは笠間に落ちた。石井の起因。香々背男の祟りをおそれ建葉槌命を奉祀し たといふ。」 住 所:茨城県笠間市石井1074 電話番号: ひとこと:「香々背男神についてお話を伺いたいのですが」 と申し出ると、この神社でもまた、すごく親切にもてなしていただきました。 ありがとうございましたm(__)m 社務所へ上げていただいて、資料を拝見させていただいたり、お話を聴かせていた だいたりしたのですが、その中で、 「香々背男神のことをどのように思っておられるのか?」 という質問をすると、 「そりゃぁ、私らにとっては、大事な神様ですわなぁ。 多分、昔このあたりを支配しておられた方で、それを大和朝廷に攻められはったん と違いますかなぁ」 とおっしゃっていました。 やはり、香々背男神は愛されているのだ、と思います。 さて、神社誌にあるように、この神社のそばに、香々背男命の化けた大石の欠片が、 落ちてきた、といわれています。 神社から歩いて5分ほどの場所にあり、現在は、「御手洗」と呼ばれています。 往古は、この付近一帯の田畑を潤すだけの水が溢れていたのだそうですが、道路を 移動したり・・・いろんなことをしているうちに、湧出量が減ってしまい、現在の 水量になってしまったんだそうです。 んでもって、肝心の「石」はないようです。 ということは、つまり、石は空から落ちてきて地に埋まり、そこから水が噴出した ・・・そういうことでしょうか。 かなり密度の高い、比重の高い石だったんですね。 そして、それが、たまたま水脈めがけて落ちてきた。 さすが香々背男神。 死して尚、人々の生活を潤しておられるようです(#^.^#) しかし、面白いな、と思うのは、香々背男神は「星神」であることです。 くだけた石が落ちてきて・・・。 これは、隕石を表現する言葉としても十分通じますよね。 隕石が空にあった時は、「星」と呼ばれていたということを、人はいつの頃から知っ ていたのでしょう? 伝説では、香々背男神は大石に化し、日夜大きくなり、天も裂けよというばかりにな った時、建葉槌神により、砕かれ、静かになった。 こういう風に表現されてます。 これって・・・星というより、火山を彷彿とさせませんか? 砕けて石が落ちてきたというのも、「火山噴火により石が飛んできた」のかも。 香々背男神は、「火山」とも関係があったのかもしれません。 そして、「星」とも。 日本には、八百万の神がおられますが、「火山の神」というのはあまり聞きません。 いや、少なくとも私は聞いたことないです。 ポリネシア・・・ハワイには、キラウェア火山の女神・ペレがいます。 日本も、環太平洋火山地帯の一環。 ハワイに負けず劣らず火山が多い国です。 でも、火山の神というのは、聞かない。 なぜなんでしょうね? 古代の人々は、人間に脅威をもたらす自然をも「神」として祭り、加護をお願いしま した。 風の神、雨の神、太陽の神。 恵みをもたらすと同時に、災害をも人間に投げつけます。 火山は大きな脅威だったと思います。 なぜ、「どうか噴火しないでください」と人々は祈らなかったのでしょう? いいえ、祈らなかったと考えるのは、まだ時期尚早でしょう。 単に、その祈りが、火山の神が、いつの時代にか消えてしまっただけかもしれません。 もしくは、あまりにも霊験あらたかなため、表に出ないだけかも。 もし、香々背男神が、そんな火山の神の生き残りならば。 きっと、強大な力の神だといえると思うのです。