祭 神:菅原道真公 説 明:勉強の神様・天神さま・菅原道真公をお祀りした神社です。 受験シーズンじゃなくても賑わう、有名な天満宮ですね。 住 所:京都市上京区馬喰町 電話番号:075−461−0005 ひとこと:谷崎潤一郎の「少将滋幹の母」をご存知ですか? 今昔物語を下敷きにして、物語が進行するのですが、とても 面白いので、紹介しましょう。 「時の左大臣藤原時平は、色好み仲間の平中から、今現在、齢 八十に近い、伯父、帥の大納言の北の方が、世に稀な美人で あることを聞きます。 それから、帥の大納言の所には、甥の左大臣から、数々の贈 り物が届くようになります。“長寿の伯父上は、我等一族の 誇りです”なんていう賛辞と共に。 人のよい大納言は、嬉しくて仕方ない。 また、人の良い彼は、自分の美しい北の方を誰かに自慢した くて仕方ない気持ちと、こんな老いぼれと添い遂げねばなら ない北の方への申し訳ない気持ちの間でとつこうつする毎日 だったわけです。 そんな時に、左大臣から“挨拶に伺います”という連絡。 日ごろのお礼をする機会だ!と俄然、大納言は張り切るので す。 そして、引き出物(お土産ですね)として、珍しい筝の琴や、 馬を持ち出しますが、左大臣、 “伯父上はもっと素晴らしいものをお持ちでしょう?”と、 取り合わない。 ハッとした大納言、“私の持つ一番素晴らしい宝物、それを あなたに差し上げましょう”と命よりも大事な北の方を差し 出してしまうのです。 左大臣としては、それが狙いですから、“それでは”と、な んの躊躇もなしに、北の方を連れ去ってしまいます。」 物語は、この北の方の形見、息子、滋幹の目線で描かれてい ます。美しい母の面影を終生追い続けた、少将滋幹の日記 (架空のものだといわれていますが)を元にして、描かれてい るのです。 なんてことを、なんでつらつら書いているのだ?とお思いで しょう。 実は、この左大臣、藤原時平こそ、菅原道真公を陥れ、左遷 に追いやった人物なのです。 謀が得意な人物なのですね。 谷崎潤一郎は、この人物を、「笑い出したら止まらないとい う癖のある」悪いところばかりでもない人物として描いてい ます。 が、そう、彼は、菅原道真公の祟りで、四十を待たずに亡く なります。そして、その子孫もみな若くして亡くなっていま すから、これは、もう菅原道真公一人の恨みばかりではない ような気もしますね。 ただ、この北の方は、嬉しかったのか、悲しかったのか・・ ・。女性の立場から考えたら、左大臣時平ばかりを悪者にす る気にもならないのですが、菅原道真以外にもたくさん恨ん でいる人物がいそうな左大臣でもあるのでした。