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頭之宮四方神社

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  祭  神:唐橋中将光盛卿
  説  明:桓武天皇の後裔。
       この神社の傍らを流れる、唐子川の奥、岸壁が聳え立つ高い山に、
      「中将倉」と呼ばれる居城を構えておられたのだそうです。 

       さて、時が流れて。
       村の子供達が唐子川で遊んでいると、髑髏が流れ着いたんだそう
       です。さぁ、あなたならどうしますか?
       1.怖くなって逃げる。
       2.拾って埋める。
       3.供養する。
       4.石を投げつける。
       5.拾って娘の頭に乗せ、「髑髏かつぎ姫」と名乗らせる。
       6.警察に知らせる。
      (5番は、わかりづらいですね。鉢かづぎ姫の話を読んでみてくだ
       さい。)

       まぁ、私達現代の人間なら、よいところ1番か6番でしょう。 
       ただ、この事件があったのは、今から1000年ほど前の出来事。
       子供達も大らかです。髑髏を拾って遊んでいたんですね。
       ところが、大人はそうそう大らかではありません。
       それを見た老人が、「そんな汚い(!)もの触っちゃ、ダメ!」
       と怒ってその髑髏を捨ててしまったんです。
       すると大変。老人は頭のたがが外れてしまい、大声でしゃべり始
       めたんです。曰く
      「予は唐橋中将光盛なり。童子と楽しく遊んでいたのに、邪魔した
       上に、汚いとな〜〜!!許せん!!!」
       そうなんです。髑髏は、遊んでもらって楽しかったんですね。
      「恐れを知らないものは幸いなり」とは聖書の言葉ですが。その通
       りだったわけですね。
       さぁ、老人の運命は如何に!!!
       と思ったら、さすがに髑髏も大らかです。
      「まぁ、それはいいとして、我を崇めたら、守護してあげるよ〜ん」
       と。
       勿論それを見ていた村人が捨て置くはずがありません。
       髑髏を大切に祀った為、村は幸福になりましたとさ。 
  住  所:三重県度会郡大内山村
  電話番号:05987−2−2316
  ひとこと:なんともいい話ですよね。
       怒りくるっていたはずの髑髏がけろりんぱと、「崇めてくれたら、
       許してあげる」と言うあたりなんかは、肩透かしもよいところです。

       それで済んだら、菅原道真公は、天神様になっていなかったでしょ
       うね。
       桓武天皇も平安京遷都する必要もなかったわけです。

       グリム童話で、「三人の糸繰女」っていうのがあります。
      「本当は残酷な」なんて本が有名になっちゃいましたが、まぁ、残酷
       なのもあるんですが、えらくすかした話もたくさんあり、面白いん
       ですよ。
       このお話は、
      「あるところに怠け者で怠け者でナマケモノにもなれない娘がおりま
       したが、母親は見栄っ張りで、なんでか、“うちの娘は、糸繰が大
       好きな働き者の別嬪なのよ”と言いふらしています。わけ分かりま
       せんね。ところが、それが女王様の耳に入り、”働き者は、いいこ
       とじゃないの。うちにくれば、いらんほど綿があるから、糸繰りさ
       せてあげる上に、全部糸繰りしたら、王子のお嫁さんにしてあげる”
       とおっしゃるじゃありませんか。お母さんもよせばいいのに、娘を
       お城にやります。娘は、怠け者ですから、“やなこったい”とシカ
       トを決め込んでいます。
       捨てる神あれば拾う神あり、なんて言いますが、この場合、拾う神
       ばかりですね。そこに三人の老婆がやってくるんです。一人は、下
       唇がだら〜んとぶらさがっていて、一人は右手の親指がしゃもじの
       よう、一人は、右足がペダルのよう。
       その三人が“王子との結婚式に叔母として呼んでくれるなら、全部
       糸を繰ってあげる”と言い出すわけです。娘は深く考えるのも嫌い
       な怠け者ですから、“どっちでもいいよ〜〜ん”とゴロ寝です。
       それを確かめた三人の女は、あっと言う間に全ての糸を繰ってしま
       います。
       翌朝、様子を見に来た女王様は、大喜び。早速婚礼のしたくが整え
       られました。
       ここで、まぁ、よくある教訓的童話なら、娘が途端に美しくない女
       達を招待するのをいやがるんですが。グリム童話は、宗教的でも教
       訓的でもありません。娘は、あっさり、“叔母さん達です〜”と紹
       介してしまいます。
       驚き恐れたのは、王子様、“あの〜、なんで、唇がそんな風に?”
       と、おそるおそる尋ねます。
       女答えて、“いやぁ、ほら、糸繰る時に、綿舐めてたら、こうなっ
       ちゃったのよぉ”
       もう一人の女続けて、“んで、糸繰る時に、糸依ってたら、親指が
       こ〜〜んなに大きくなっちゃってさぁ”
       最後の女とどめに、“で、糸繰る時に、ペダル踏むもんだから、足
       までペダルみたいになっちゃったのよねぇ”
       王子様は、面食いです。“自分の嫁が、こんな唇になっちゃやだい!”
       と、奥さんの糸繰りを禁じたのでした。めでたしめでたし(娘にと
       って)」
       って話です。最初から最後まで娘が桃井かおり調なのがいいですね。

       ちっちゃいことに動じない神様や人間は素敵です。
       私もけろりんぱと、家事さぼりたいな。三人の家事好き女がやって
       きてくれないかなぁ・・・。

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