祭 神:小野匠守道風命 説 明:重要文化財に指定されている神社。 祭神について、 「西暦894年〜966年、平安中期の書家、小野篁の孫。 父は大宰大弐をつとめた葛絃。 醍醐、朱雀、村上三朝に歴任。柳に飛び付く蛙の姿を見て発奮努 力して、文筆の極地に達せられ、藤原佐理、藤原行成と共に日本 三大文筆、三蹟の一人として文筆の神として崇められている。 六十六歳の時に天徳詩合の清書をして『能書之絶妙也、義之再生』 と賞賛されている。祭神道風の書風はこれ迄の中国の書風を放れ 穏やかな整った和様、日本的な書の典型として長く後世迄尊ばれ ている。 又、祭神は菓子の体型を創造されたことにより匠守の称号を賜ら れ、菓子業の功績者に匠、司の称号を授与する事を勅許されてい たことを知る人は少ない。 菓子の匠、司の免許の授与は現在は絶えているが、老舗の屋号に 匠、司がし様される事は現在もその名残として受け継がれてきて いる。」 と説明されています。 住 所:滋賀県滋賀郡志賀町小野 電話番号: ひとこと:小野道風といえば、花札の11月。と思う人、挙手!! ・・・まさか、私だけってことはないですよね。 とりあえず、説明すると、花札は、 1月・・・松 2月・・・梅 3月・・・桜 4月・・・藤 5月・・・あやめ 6月・・・牡丹 7月・・・萩 8月・・・坊主(ススキ) 9月・・・菊 10月・・・紅葉 11月・・・雨 12月・・・桐 となっています。 それぞれ4枚ずつで、いろんな模様が入っていて、その模様によ り、点数があったり、役ができたりするのです。 その11月の二十文札が、雨の中、傘を差しながら柳に飛び付く 蛙を眺めている絵柄なんです。 ついでに言いますと、「松に鶴」「梅に鶯」「桜に幔幕」「藤に ほととぎす」「あやめに八橋」「牡丹に蝶」「萩に猪」「ススキ に月(雁)」「菊に盆」「紅葉に鹿」「雨に小野道風」「桐に鳳 凰」という取り合わせになっていて、藤以外は、それぞれ、役に 必要な札となります。 その中で、この11月、雨は、ちょっと異質です。 まず、人物が描かれているのは、この「小野道風」だけである、 ということ。 二十文・十文・五文・一文札が揃っているのも11月札だけです。 ・・・と、神社と関係のない話しばかり書いてしまいました。 小野道風の逸話で有名なのは、上記説明にもあります「柳に蛙」 の話しですね。 小野道風が若いころ、柳の下で蛙が何度も飛びあがっているのを 見かけます。 「何をしているのだろう?」とよく見ていると、蛙は、柳の枝に飛 び付こうとしているのです。 飛び付いては、失敗して、落ち、また飛び付いては落ちる。 道風は、いつかしら、蛙を応援していました。 そして、ついに、蛙が柳の枝に飛び乗ったとき、彼は、「私も、 このように努力しよう」と考えて、後に三蹟と呼ばれるほどの、 能書家となった、という逸話です。 ちなみに、三蹟に対して、元祖というべき、三筆というのもあ ります。 こちらは、空海・嵯峨天皇・橘逸成の三人です。 空海は、勿論有名人ですが、橘逸成も、怨霊として有名ですね。 なんにしても元祖はすごい、ってことでしょうか?