祭 神:菅原道真公 説 明:境内案内板を転載します。 「この天満宮の祭神は菅原道真公。当宮者は元『目検枷(めたてがい)』と云う名犬を祀り犬上(神) 明神と称せしを加賀藩主、前田候が通行の際、藩主の奨めにより天満宮と改め社殿北側に犬塚とし て祭神を祀り、今日に及んでいる。 昔此所に目検枷と云う名誉奇特な犬がいた。 当時は毎年附近の村から湖上の祭神に人神御供として一人ずつ娘を差し出す習わしがあった。 ある年のこと、村に豪気な男がいて何者かが人神御供を求めるのかと、ひそかに正体を見極めたと ころ、『メッキに言うなよ。平方のメッキに言うなよ』とブツブツつぶやきながら、得体の知れぬ 怪物が湖岸の水面から現れました。 男はメッキとは何かと尋ねたところ野瀬の長者の愛犬『目検枷』のことであった。 翌年人身御供のとき男が借り受けた名犬『目検枷』と怪物は大格闘の末、目検枷の噛みついたいく つもの歯痕を残し、怪物はとうとう倒れてしまいました。 しかし目検枷も大きな傷を受け、必死の戦いに精魂つき、息をひきとりました。 村人はひどく感激し、長くその霊を慰めるため、犬塚をたて祀りました。 今なお目検枷の鋭い牙にあやかり度いと、墓である石塚に触れた手で歯の傷むところを撫でると、 その痛みが止ると言われている」 角川書店『日本の伝説19』から、目建解の伝説を引用します。 「豊公園の前から、湖岸に沿って彦根を至る道路が延びている。湖畔を700メートルほど行くと、 左側に天満宮の小祠があり、境内に小さな石が石柵に囲まれている。これが大瀧神社に胴塚を残す 小白丸の親犬、目建解の墓だと言い伝えられている。 むかしこの社に怪物が現れるので、毎年附近の村から人身御供の娘を出すことになっていた。その 期日が近づいたある夜、通りがかった旅人が、湖から得体のしれない怪物が上がって来るのを見た。 怪物は境内をのそのそと歩きながら、しきりに口の中で何か呟いている。恐ろしさをこらえて耳を すますと、『メタテカイに喋るな、メタテカイに喋るな』と聞こえた。 翌る日旅人が近くの村でそのことを物語ると、それは浅井の野瀬の長者が飼っている犬の名前に違 いないといい出す者があった。村びとたちは早速その犬を借り出して、人身御供を供える夜、ひそ かに社殿の蔭に待ち伏せた。湖の水が騒いで怪物が上がってくると、目建解は猛然と飛びかかって いった。怪物は『喋ったな』と叫んで水中に逃げ込もうとしたが、たちまち噛み殺されてしまった。 年を経た川獺だったそうである」 住 所:滋賀県長浜市平方662 電話番号: ひとこと:目建解の息子である小白丸も、大蛇退治の英雄犬。 でも、目建解と違って、飼い主が悪かった。 助けられたにも関わらず、忠犬を殺してしまうような、バカ者だったんです。 その点、目建解は、命を落としたとはいえ、化け物を退治した英雄としてですから、救いがあるの かな、と。 それにしても、なぜこのあたりでは、かくも素晴らしい犬の伝説が多いのでしょう? 犬を飼い育てる人たちでも住んでいたんでしょうか?