祭 神:闘鶏稲置大山主命 大鷦鷯命 額田大中彦命 説 明:栞によりますと、 「畏くも当神社は国史所載の都祁氷室神社にして御祭神特殊の御功徳 に対し、旧号を福住氷池の宮又は都介氷室或は福住氷室とも称し、 氷一切に関する守護神として今を去ること壱千四百年前允恭天皇三 年辛酉朔正月下旬時の大臣三田ノ宿禰勅を奉じて本邦氷室濫觴の霊 血たる闘鶏氷室の傍に鎮座し給ひ爾来に預かり来りし最も尊き大神 にましますなり。 闘鶏稲置大山主命は神武天皇の皇子・神八井耳命の裔、都介國造の 後にして今日の機械氷たるの前進として壱千六百有余年の昔人智未 開の時、天然氷を貯へ且つ其利用の道を発明して是を教へ給ひ或は 凍豆腐の製造を創始して今日あらしめ給う大神なり。 大鷦鷯命は諡名仁徳天皇にして献氷の典例を開かせ給いし大神なり。 額田大中彦命は仁徳天皇の皇弟にして貯氷の術を奏上して献氷せし め給ひし大神なり。 人皇第十六代天皇の御宇、額田大中彦皇子闘鶏野に狩し給ひ、初め て氷室を観これを齎し帰りて、天皇に献じられしより氷室の献進永 く国例となり年々朝廷に氷を貢ぎ爾後都を遷す毎に氷室を京城の近 傍に設けられしも、福住氷室は其根元の所なるを以って永く供進に 預かり来りしこと国史に詳らかなり。 今も神社後方室山(氷室山の異称)に古昔献氷を取りし由緒ある茅 荻池及び天然氷を貯蔵せし氷室跡又は塔の森に此氷の祖神たる闘鶏 稲置大山主命の墳墓地並に古碑等歴然として尚存せり。 例祭は十月十五日にしてこの日由縁深き氷室山旧址の御旅所へ古式 による神輿渡御ありて最も殷賑を極むるなり。」 とあります。 住 所:奈良県天理市福住町 電話番号: ひとこと:なにしろ、氷の献上という、特殊で、専売的な技術を持った神様で す。 氷と一言に言いますが、これを辞書はなんと説明しているでしょう? 三省堂の大辞林によると・・・。 「水が氷点以下の温度で固体になったもの」 なるほど。完結ですね。つまり、氷を融解したものは、必ず「水」 になるはずなんですね。何しろ水が凝固したのが氷なんですから。 ちなみに、氷点を同じく大辞林でひいてみましょう。 「一気圧のもとで、空気で飽和した水と氷が平衡状態にある時の温度。 すなわち水が凍る温度。摂氏零度。」 こんな実験したことありませんか? 氷と糸を用意します。 これに、あと1点だけ何かを使用しても構いません。 氷に手を触れることなく、この糸で氷を吊り上げてください。 さて、できますか? ヒント 使用するものは、「調味料」です。 わかりました? 引き伸ばしてもしょうがないので、正解を言うと、 まず氷の上に糸を垂らします。 そして、その氷と糸の両方にかかるくらい、あるもの、そう、塩 をぱらぱらとかけるんです。 そして、しばらく置いて、糸を持ち上げると・・・。 どうですか?氷が持ちあがったでしょう? なぜでしょう? 塩の水溶液は、凝固点が下がるんです。 飽和状態の塩の水溶液の凝固点は、なんと−21.3度なんです って。 つまり、塩をふりかけることにより、氷は溶けます。 ところが、氷がとける時に、周りの温度を奪うことになるんです。 しかも、それで塩水が凍り、氷の自体温度も下がります。 すると、また温度が下がるので、一旦溶けた水がまた凍ります。 この時、糸と氷の間にあった水が凍ることになるので、糸で氷が 持ち上がるというわけなんです。 面白いでしょう? 氷に塩を混ぜることで温度が下がることを氷点降下というそうな んですけどね。 でも、氷点は摂氏零度なんですよね。 摂氏零度より温度が低くなると、それは、「氷点」じゃなくて、 「塩水の凝固点」なわけです。 だから、これは、「氷点降下」じゃなくて、「水類似液凝固点降 下」と呼ぶべき? ですよね(^^ゞ もっと言えば、私達が「氷」と読んでるものは、「氷」じゃない ということに。 だ〜〜〜って、私達が氷にするために利用する水は、純粋な、H2O ではないでしょう? 塩素やらカルキやらの「水溶液」ですからね。 多分「凝固点」も、摂氏零度じゃないに違いない。うむ。 さて、この闘鶏稲置大山主命の献上した「氷」は、「氷」だったん でしょうかね?