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瓢箪山稲荷神社

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  祭  神:保食大神 氏神牛頭天王
  説  明:境内看板を転記します。
      「日本三稲荷の一つ、辻占総本社。
       創建は豊臣秀吉が大阪築城に当り、巽の方三里の地に鎮護神として伏見
       桃山城から『ふくべ稲荷』を勧請したるを由緒とする。
       江戸時代より門前の東高野街道において、『辻占い』の風習があり、明
       治初年宮司山畑良美が『辻占』を創始するに及び、淡路島かよふ千鳥の
       河内ひょうたん山恋の辻占として全国津々浦々に知られている。
       今の本殿は、慶応二年に建てられた。
       社をまつる小丘はこの地一帯にある山畑古墳群の中でも最古最大に属す
       る六世紀末古墳時代後期の双円墳であり、瓢箪山と称する由来である。」
       辻占の作法
      「辻占判断を受けられる方は、先ず神前に願い事をよく祈請し、此のおみ
       くじを引いて番号を覚え、東参道の入り口のうらば(占場)へ行きて、
       気を静めてから、占場意思を中心として正面を向き、通行人の姿態、年
       齢・持ち物・乗り物・連の有無等詳しく観察します。
       おみくじが一番ならば左右何れかから来ても最初の人又は一組の連を、
       二番なれば二番目、三番なれば三番目を視て、再び社務所へ戻り、詳し
       くその次第を申すと、数百年来宮司家に伝えられている社伝により、判
       断せられるのであります。」
  住  所:大阪府東大阪市瓢箪山町8−1
  電話番号:
  ひとこと:一般に伝えられている、「辻占い」は、願うことがある人が、辻に立ち、
       思いを澄ませ、通りがかりの人の声を聞き、一番初めに耳にはっきり聞
       こえた言葉により、願いが成就するかどうかや吉凶を占ったというもの
       ですが、この神社の場合は、「人がしゃべった言葉」ではなく、人の姿
       や特徴で占うこと、また、どの人の特徴で占うか、を「神様の託宣=お
       みくじ」により、指示される、というところに神様の意志が反映される
       のでしょうね。
       また、気になるのは、この神社の社名の由来です。
       一つの理由は、「伏見桃山城から、『ふくべ稲荷』を勧請したから」と
       いうことになるでしょう。
       ふくべとは、瓢箪のことですからね。

       でも、もう一つの理由としては、「六世紀末古墳時代後期の双円墳の形」
       が瓢箪に似ているから、瓢箪山となった、というのがあるようです。

       六世紀といえば、豊臣秀吉の時代より、千年近く昔のこと。

      「瓢箪山」だから、瓢箪=ふくべ稲荷を勧請したのでしょうか?
       でも、伏見桃山城は、秀吉の恩ある織田信長の城。
       そこから、神様を勧請するのはなんの不思議もありません。
       それがたまたま「ふくべ」だった不思議。

       そして、「瓢箪」と秀吉の関係。
       秀吉の旗印は、知る人ぞ知る「千成瓢箪」ですよね?

       秀吉と瓢箪の関係は、どこから来ているのでしょうね?

       ど〜も、「これが原因」という由来は、はっきりしてないようです。

       瓢箪は、日本では、「福を呼ぶ」など縁起のよいもの、とされている植
       物です。

       お寺や神社の御守りで、瓢箪六つで、「六瓢箪(むびょうたん=無病た
       ん)」など名付けられたものを見たことがあるでしょう?
      「宇治拾遺物語」の「雀報恩事」では、怪我をした雀が、看病してくれた
       優しいお婆さんに、瓢箪の実をひと粒恩返しに、持ってくるという話が
       あります。
       この種から成った瓢箪は、おいしくて大きくて、しかも、乾かしておく
       と、その中にお米が一杯詰まっていた、と言うのです。

       さて、他の国では?

       瓢箪に関する逸話をいくつか紹介してみましょう。

       まず、西遊記。
       金角・銀角が持っていた瓢箪は、呼びかけられて返事をしてしまった人
       間を吸い込んでしまう、という不思議な力を持っていました。
       縁起物かどうかはわかりませんが、不思議なもの、とされているようで
       すね。
       そういえば、「瓢箪から駒」なんて諺もありますね。
       この、金角・銀角の瓢箪ならば、「瓢箪から駒」も、夢ではないかもし
       れません。

       次は、イギリス。
       イギリス文学者の「サマセット=モーム」の「ホノルル」という短編が
       あります。
       この話の中で、呪いを破るために、瓢箪が「呪物」として登場します。
       呪いを破るためのものですから、これは「縁起物」と考えてよいでしょ
       う。

       イギリスでも瓢箪は、縁起物なようです。

      「シンボル辞典」には、「瓢箪」「瓢(ひさご)」「ふくべ」の、どれも
       載ってませんでした。う〜ん、残念。

       この神社は、二重の意味で、この縁起物「瓢箪」とご縁があるのです。
       あやかりたいものじゃ、ないですか?

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