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風の森坐志那都比古神社

kazenomori





  祭  神:志那都比古神
  説  明:境内看板には、
      「本社は、御所市大字鴨神、旧高野街道・風の森峠の頂上に位置し
       ています。
       御祭神は、志那都比古神をおまつりしています。
       志那都比古神は、風の神であり、古事記、日本書紀には、風の神
       に因んだ事柄が記載されています。
       又、葛城地方は、日本の水稲栽培の発祥の地ともいわれており、
       風の神は、五穀のみのりを、風水害から護る農業神としてまつら
       れています。
       日本では、古くから、風の神に対する信仰があり、毎年旧六月に
       は、各地で薙鎌を立てて、豊作を祈る風祭が行われています。」
       とあります。
  住  所:奈良県御所市大字鴨神
  電話番号:
  ひとこと:高鴨神社と一対になっている、と言われる小祠です。
       風の森というだけあって、確かに、絶え間なく風が木々を揺らし
       ています。

       農作物と風の関係を考えると、
       良い面では、風は受粉を促したり、種を飛ばしたりして豊作の手
       助けをします。
       悪い面では、台風により被害を与えます。
       
       何年か前、台風が通過した近所の田圃の稲が倒れて、腐りかけて
       いるのを見た時、風と農業の関係を思い知りました。

       また雨雲を運んでくるのも風ですから、農業にも関わりが深いで
       しょう。

       ただ、これらの関わりは、間接的です。

       風と直接関係するのは、なんといっても、漁業でしょう。
       風が吹かねば、船は流れないし、風が強過ぎれば、船は転覆の危
       険があります。

       さてそうなってきますと、問題は、奈良盆地が昔、盆「地」だっ
       たか、大きな湿地帯だったか、もしくは水につかっていたか、興
       味が涌いてきませんか?

      「奈良湖」で検索してみますと、どうも、過去に奈良盆地が湖であ
       った時代はあったようです。
       が、人間が出現したころには、既に、地面が現れていたようでも
       あります。

       ということは、盆地にあった湖で船を出して漁業を営む民のため
       の神様という想像はちょっと難しい。

       しかし、盆地に至る迄の海路を護る風の神であった可能性はあり
       そうですね。

       あまり元気な声で言いたくはありませんが、日本には、かつて、
      「神風」が信じられた時代がありました。

       そもそも神風は、文永十一年(西暦1274年)蒙古のフビライ
       ハンが攻め込んできた時に吹いた風です。

       弘安四年(西暦1281年)に、蒙古が再襲撃した時にもやはり
       暴風が外敵を駆逐した為、「風」は、神が吹かせたものである、
       という認識が広がりました。

       同じように、奈良盆地の「風の神」も、奈良盆地を外敵から護る
       役割も担わされていた可能性もあるのではないでしょうか?

       日本は島国です。しかも、古代は現代に比べて、ずっとたくさん
       の地域が、海の底にあったんです。
       外敵は、海からやってくる・・・。そんな認識があってもおかし
       くありません。

       同じ島国、バリ島では、山は聖なるもので、海は邪悪なものであ
       る、とされています。
       ですから、海際には、強力な寺院がいくつも建てられているんで
       すね。

       その中で一番有名なのは、「タナロット寺院」。
       夕焼が美しいことで有名なこの寺院は、海の神様を祀っていると
       いうことです。

       バリは、バリヒンズーが盛んですから、多分、バリヒンズーの神
       様の一柱か、三柱を祀っているのだと思っていたのですが、そう
       ではなく、「海の神様」とのこと。神体は、黒白の蛇。
       拝観料を払えば、蛇に触れることができます。
       私は、物好きにも触れさせてもらったのですが、蛇さん達は、触
       られることに飽いているのか、ぴくりともしてくれませんでした。
       残念(^^ゞ

       余談でした。

       地理にうとい私には、この風の森が、太古、どれほど海に接して
       いたのか、定かには判らないのですが、高台に建てられているの
       は、外敵を見張っているからかも知れない、んでもって、敵がや
       ってきたら、その風の力で追い払う・・・なんて想像をしてしま
       いました。

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