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櫛玉命神社

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  祭  神:櫛玉命 櫛玉姫命 天明玉命 豊玉命
  説  明:延喜式内社
  住  所:奈良県高市郡明日香村
  電話番号:
  ひとこと:どわ〜〜。
       ご祭神のお名前、全て、固有名詞っぽくな〜〜い!!
       言ってみれば、
      「とてもすばらしい方」
      「とっても美しい姫」
      「比類なく尊いお方」
      「なによりもすばらしいお方」
       という面々である、と言えます。

       となると、明日香村で、「すばらしい」と呼ばれてたであろう神様が
       どの神様か?と想像すれば、ある程度、個人・・・もとい、個神を特
       定できるかも知れませんが、それよりも、この場合、「この神社には、
       この地域でそれはそれは尊敬されていた神様がお祀りされているんだ
       な」と考えるほうが、しっくりきますね。

       しかし、神様のお名前には、長い長い尊称がつくことが多いです。

      「豊」「玉」「櫛」「天」「明」「照」「正」などなど、これらの字、
       全てが尊称です。

       でも、もともと名前っていうのは、その人の様子を表すものだったの
       かも知れません。

       子供が生まれた時、親は、「こんな人間になって欲しい」という願い
       を篭めて名前をつけることが多いんじゃないでしょうか?

      「名」は「体」を表すというのも、まんざら間違ってないんじゃないで
       しょうか?

       昔話の主人公の名前も、「サンドリヨン」ってのは灰かぶりっていう
       意味で、サンドリヨン・・・っていうかシンデレラって言ったほうが
       いいんでしょうか、彼女の様子を表した名前です。

      「赤頭巾ちゃん」は、赤い頭巾が似合う女の子だったんですよね。
      「白雪姫」は、雪のような色白の女の子だったから。

       日本の昔話でも、「桃太郎」は、桃から生まれた男の子。

       ね?名は体を表すのです。

       だから、この神社のご祭神も、これで、ちゃんと「本名」でお祀りさ
       れている、といえるんでしょうね。

       そして、こんな話もあります。
      「名前は簡単に人に教えてはいけないものだ」
       プリミティブな魔術の中には、相手の名前さえわかれば、呪いは成就
       する、という考えがあります。
       つまり、相手にマイナスのパワーを持つ言葉を投げつけることが、既
       に呪いなんです。
      「○○なんか、××ちゃえっ!!」
       これ、すでに、呪いなんですね。

       だから、他人、特に敵に、自分の名前を知られてはいけない、そうい
       う考え方は珍しいものじゃないようです。

       グリム童話に、「ルンペルシティルツヒェン(がたがたの竹馬小僧)」
       というのがあります。

       王様に無理難題をふっかけられた娘が、最初に生まれた子供をあげる
       という条件で、森の小人に助けてもらいます。

       王様の難題をきっちり履行したので、娘はお妃様になり、やがて赤ん
       坊が生まれます。

       すると当然、小人がやってきて、「子供をよこせ」と言います。
       約束ですもんね。

       でも、大事な赤ん坊をそんな簡単に渡せるわけがないのも人情です。
      「どんな宝物でも渡すから、子供だけはつれていかないで」
       とお願いしたところ、小人は、
      「3日のうちにオレの名前をあてたら、子供はとらないでやるよ」
       と言い出すんですね。

       お妃様は、財力にものを言わせて、小人の名前を探し当てます。
       すると小人はどうしたと思います?

       自分の足を両手でつかみ、自分の体を引き裂いてしまうんです。

       つまり、自分の名前を他人に知らせるというのは、よっぽどのことな
       んです。

       こんなちっちゃな妖魔でさえそうなんです。
       神様ともなれば、本名をそうそう大っぴらにはしないのかも。

       なんてことを考えると、尊称のみでお祀りしているこの神社。
       名前を明らかにしないのは、
       敵にあたる氏族のテリトリーに、場所が近かったのかも?

       そんな推理もできますねぇ。

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