祭 神:御前原石立命 説 明:案内板を転記します。 「延喜式内社 主祭神:御前原石立命 古市町の鎮守の神として祭る 境内社 御霊神社 祭神:崇道天皇(早良親王) 春日神社 祭神:天児屋根命 五社明神社 祭神:天忍穂耳命 天忍日命 天津彦根命 活津彦根命 熊野久須毘命 竜王神社 祭神:高おかみ神 巽神社 祭神:辰巳明神 西之宮神社 祭神:大国主命 猿田彦命 八重事代主命 三寶荒神社 祭神:奥津彦命 奥津姫命 火産霊命 境外社 厳島神社 祭神:市杵島姫命」 住 所:奈良県奈良市古市町294−1 電話番号: ひとこと:御前原石立命とは、この古市町の鎮守の神様である、と、そういう わけですね。 しかし、どうも、このお名前、「御前原」と「石立命」が一緒にな ったお名前っぽいですね。 「御前原」にいらっしゃる「石立命」。 「御前原」ってのも地名というよりは、私たちの御前の原っぱ、とい う意味っぽい? そうすると、非常に近しい神様である、と人が見ているように思い ます。 しかし、「石立」ってのも固有名詞というよりは、偉業を名前にし た、という感じですよね。 としたら? すぐ側の原っぱに、石を立てた人物を祀った神社ということになり ます。 しかし、石を立てるって、どういう意味でしょう? 石を立てて、墓石にした? それじゃぁ、偉人として、人々に崇敬されるほどじゃないですよね。 石を立てて、日時計を作った。 これはありそうな気もします。 イギリスのストーンヘンジについて、季節を知るためのものだ、と いう説がありますね。 そういう生活に生活に役立つ石造物を作った人物なのかも知れませ ん。 ・・・いや、ほとんどの日時計になる石造物は生活に役立てるため というより、宗教的な意味合いが強いでしょうけども・・・。 その他の「石を立てる」はどんなことが考えられるでしょう。 石を立てて、玉座にした。 実は、これが一番ありそうだと思うんですが、どうでしょう。 大きい石を立てれば、威圧感をもたらします。 ピラミッドしかり、マチュピチュ遺跡しかり。日本の古墳しかり。 そうやって、大石によって、威光をしろ示した人物かもしれません。 つまり、この辺り一帯を治めた大王だった、ということになります ね。 どれにしても、この大王一族には「石」文化があった、という風に 話は展開しそうです。 石文化ってのは、例えば、石舞台古墳みたいに、大石でもって、墓 を作ったり、するのもその一つでしょうね。 イースター島のモアイ像のような、石像を作って、崇拝したりする のも、石文化と言えるでしょう。 そういえば、イースター島のモアイ像も、なんのために作られたも のかは、はっきり解明されていないんでしたね。 墓石だとか、埴輪みたいなもんだとか、島の守り神だとか。 島の中を睨む大顔の像についても、いろんな説がでています。 説明書がついてるもんじゃないですからね(^^ゞ どんな説にしても、「説」から踏み越えることはできません。 でも、そういう、墓石やら埴輪やら守り神やらを「石」で作る、と いう発想は、不思議な気がしませんか? 大体、像を作る場合、大きくて硬い岩を削るより、小さい貝殻を集 めて重ねるほうが簡単じゃないですか? それをわざわざ困難なやり方を選ぶ、というのが。 つまり、「試練」を課している、ということになりませんか? そう考えると、やはり宗教的な何かだったのか? 困難を乗り越えることにより、パライソ・・・じゃなくて、天国と いうか楽園にいけるというような考えがあったのでしょうか。 もしくは、大きな仕事を自分たち一族「以外」のものに課すことに よって自分たちの優位性を誇示したのか。 そんなことを考えれば、この「御前原」の石を立てたミコトは、か なり大きな権力を持っていたのかもしれません。 もしくは、原始的な宗教のカリスマ性たっぷりな教祖だったのかも。 石を立てるということ。 平原に石をぽつんと立てて、印をつけること。 それがどういう意味を持つ行為だったと考えるか、で、この神社の ご祭神を見る目が違ってきます。