祭 神:伊古比都幣命 説 明:境内石碑によりますと、 「式内小社・為志神社は伊古比都幣尊を祭神として古く栄え延喜式 には忍海郡二社の筆頭に記載されている由緒正しい神社で久しく その尊厳を発揮してきたが明治三十九年の勅令社寺合併令により 明治四十三年二月八日をもって式内大社葛木坐火雷神社に合併さ れて今日に至った。 しかるに廃社の後人々は社殿の跡に為志神社遺蹟の石碑を建て、 あたかも神殿に対するが如くこれを崇敬してきたのである。 人々の志実って社殿を再建し祭神を還しここに式内小社為志神社 の再興が成就したあとなお為志神社遺蹟の碑を温存する所為であ る。」 とあります。 住 所:奈良県北葛城郡新庄町林堂 電話番号: ひとこと:伊古比都幣命とはどのような神様でしょうか。 一時期合祀されていた、「葛木坐火雷神社」の説明では、「衣食 住を司る神様」となっているのですが。 「幣」という字は、「神への捧げ物」「宝物」という意味がありま すから、衣食住の神様というのは、わかるような気がします。 この土地の産土神様だとは思います。 では、この土地に古代住んでいた、有力豪族は何氏でしょうか? 大体、「伊古」という言葉がつくのは、「伊古麻」つまり「往馬」 関係の神社の祭神に多いです。 「伊古麻都比古(いこまつひこ)」の神様なんて、ちょっと噛んだ ら、「伊古比都幣(いこひつへ)」になっちゃいそうです。 さて、この伊古麻都比古の神様、出自はどこかと言うと、これが また一筋縄じゃぁ・・・。 「火」の神様だ、と、往馬大社は説明していますが、産土神様が、 火の神様である氏族っていうと? 火は、どんな生活をしていても、必要な要素です。 稲を料理をするにも火は必要だし、狩猟の獲物を料理するにも火 は必要。いや、狩猟民族ならば、猛獣から身を護る為にも火は、 重要かも知れません。 また、産鉄の民族にとっては、火は最重要かも知れません。 鉄の溶点をご存知ですか? 調べてみると、600度程度。 なるほど。 この地球上で、自然に鉄が溶け始めることはありません(当然か)。 米を生で食べることもできますし、動物の肉を生で食べることも できます。 猛獣から身を護るのは、火だけではありません。 が、鉄を加工する為には、必ず火は必要ですね。 ・・・なんてことを想像するのですが。 600度もの温度で加工している人間は、かなり危険な状態だっ たでしょう。 かなりの危険と引き換えに、素晴らしい武器(鉄器)を持ってい る民族・・・ってのは、自然と秘密主義にならざるを得ないよう で、産鉄に関しては、暗いイメージが付きまといます。 カルシウムを溶鉄に混ぜると溶点が下がるんだそうです。 身近なカルシウムに、骨があるところから、鋳鉄と死体は、近い ものだと考えられていたようでもあります。 宮津の伝説に、 「衝かずの鐘」の話しがありますが、 寺の鐘を造るための寄進を渋った母親が、 「金を出すくらいなら、うちの子供を差し上げます」と言ったとこ ろ、その後、鐘を造ろうとしても、何度やっても、子供一人分く らいの空洞ができてしまって、うまくできない。 やっと鐘を造ることに成功した夜、その母親の子供は行方不明に なってしまうんです。 えらく暗い話しですが、これも、鉄のそういう暗いイメージを反 映しているのでしょう。 実際、鉄器一つにつき、人身御供(奴隷)を差し出すなどという 風習があったのか?というのは、私の勝手な想像です。 あ〜〜〜、「伊古」から、話しがえらく逸れました。 いつものことですが・・・。すいませんm(__)m