hitokoto

産田神社

ubuta





  祭  神:伊奘冉尊 軻遇突智尊
  説  明:案内板を転記します。
      「由来
      『日本書紀』にある女神伊奘冉尊(いざなみのみこと)が、ここで軻遇
       突智(かぐつち)を産み亡くなったので、花の窟に葬ったという。
       産田という名は産んだところと伝えている。
       この付近では埋蔵土器が多く出土していて考古学的にも先史・古代に
       わたる古さを物語っている。
       太古社殿のなかった時代のひもろぎの跡(神の宿る所)と伝えられる
       場所も残っている」
      「産田神社祭祀遺跡(熊野市指定文化財 史跡)
       産田神社は弥生時代からの古い神社で、伊奘冉尊と軻遇突智神を祀っ
       ている。日本に米作りが伝えられた頃からあったと考えられており、
       古い土器も出土する。古代には神社に建物がなく、『ひもろぎ』と呼
       ばれる石で囲んだ祀り場(祭祀台)へしめ縄を張り神様を招いた。こ
       の神社の左右にある石の台がそれである。日本で二箇所しか残ってお
       らず大変古くて珍しい。
       弓引き神事(1月10日)
       奥有馬、口有馬の当屋から各一人ずつ選ばれた弓引きは宵宮の日、花
       の窟神社前の浜で身を清めた跡、参籠殿にこもり一夜を過ごす。当日
       の朝は、産田川で身を清め、午後9時過ぎから行われる祭典が終了す
       るまで、再び参籠殿にこもっている。式典が終わると弓引き神事が始
       まる。まず的に向かって交互に2回矢を射る。次に4回ずつ矢を射っ
       て腕を競うのである。」
  住  所:三重県熊野市有馬町字里1814番地
  電話番号:
  ひとこと:なんと、この「神籬(ひもろぎ)跡」写真に撮影し漏れております。
       うううう、不覚(T_T)

       さて、この神社。案内板にもありますように、花窟神社とは一対なの
       ですね。
       ただ、「花窟神社」は、「埋葬場所」というだけですが、産田神社は、
       軻遇突智尊の生まれ出る場所でもあり、伊奘冉尊が事切れた場所でも
       あるんですね。

       さて、「産室」が男子禁制であった地域は結構多いようです。
       それは、「女性しか立ち入れない」という意味もありますが、産室が、
      「男性にとって立ち入るのがはばかれるほど、穢れた場所」と考えられ
       てた、ということもあるようなのです。

      「ケガレ」とは何かと言うと難しい話になってしまうのですが、根元は、
      「死」に関わる部分だったのじゃないでしょうか。

      「産室」とは、それほど「死」に近い場所だった、ということだと思う
       のです。

       烏賊は、産卵が終わると、力尽きます。
       だから、烏賊が群れを成して産卵した後は、魂のない体だけの烏賊が
       山となって海水に揺れています。

       ある種の蜘蛛は交尾の後、雄を雌が食べてしまうことはよく知られて
       います。

       新しい生命を生み出す為に、古い生命が犠牲になるというのは、自然
       界ではとりたてて珍しいことではないのかもしれません。

       ただ、一度に一つしか新しい生命を生み出さない人間は、滅びる魂が
       一つに生まれる魂が一つでは、産み増やすことはできません。

       ですから、お産が即ち死に結びつくことはないでしょう。
       ただ、日常よりは、「死」に近いのでしょうね。

       人間は、一人では生きていけない、な〜んていいますが、人生に2回
       だけ、ど〜しても、ど〜しても、ど〜しても、一人でやらなきゃなら
       んことがある、とも言います。

       えぇ、そう、出産と、死、です。
       え?双子は同時に出産するし、心中ってのもあるじゃないか、って?
       まぁ、双子は、同時ったって、どちらかが先に生まれてくるわけで、
       厳密に言えば同時じゃないですよ。うん。

       で、心中はってぇと、だって、「一緒に旅立ち」たくて、心中するん
       だからなぁ、これも厳密には「同時」じゃないだろうけど、同時って
       ことにしときましょう。えぇ。そうしましょ。

       というわけで、この「産田神社」と「花窟神社」は、人間が孤独に戦
       わなければならない二つの局面と関係がある・・・というわけです。    

home 神社のトップに戻ります back