祭 神:大年神 若年神 崇徳天皇 金山日古命 猿田彦命 説 明:境内案内板を引用します。 「ご祭神は、大年神、若年神、崇徳天皇、金山日古命、猿田彦命といわれている。 往古向井山字浄福寺に鎮座せる大歳神社を大宝元年〜二年(西暦701〜702)に、 字深間田の坪へ遷座。 孝徳天皇の大化年間(西暦646年)の頃より、氏子の中で一年に5〜7人と死者が出 たので、これは神の禍と考えて人身御供を上げて来たが、ある年には十人も不幸 が続いた。氏子のくじ引きで人身御供を決める事になり、くじが当たり人身御供 を祭りの夜に供えたのを、鎮平六と申す犬によってその化け物を退治したと、大 歳神社の伝説として伝えられている。 祭りは十二月のエトで一番早い申と戌の日に行われ、戌の日には餅もまかれ、こ の餅を食べるとお産が軽くなるという俗信もある。」 住 所:兵庫県篠山市犬飼 電話番号: ひとこと:ここにも、犬による化け物退治の伝説がありました。 化け物の正体ははっきり書かれていませんが、お祭りは「申(さる)」と「戌 (いぬ)」の日に行われるようですから、多分、猿なんでしょうね。 猿神を犬が退治する話としては、しっぺい太郎がもっとも知られていると思いま す。 その次が、今昔物語に登場する、「美作国神依漁師謀止生贄語」ですかね。 犬の名前は確か、シロだったと思います。 この神社では、犬の名を、「鎮平六」としているようです。 「しず(め)へいろく」か、「ちんぺいろく」か?? 化け物を鎮めたわけですから、「しずへいろく」としておきたい。 とすれば、またある共通点を見出しますね。 つまり、名前の最初が「シ」であるということです。 何かあるんでしょうか?? 気になりますね。 ここの地名が「犬飼」なのは、もともと犬飼の人々……多分、猟師でしょう…… が住んでいて、そこから、犬の猿神退治話が生まれたのでしょうか? それとも、猿神退治の話があったから、犬を飼う人が増え、犬飼の地名となった のでしょうか。 私には、前者だと思えるのですが、いかがでしょう? 日本でも、犬にまつわるエピソードには、「泣かせる」ものが多いです。 化け物退治の話でも、化け物を仕留めた犬は、力尽きて死んでしまうというパター ンもあります。 そしてもう一つ、有名なエピソードがあります。 山へ入って猟をしているとき、犬が騒いでとまらないことがありました。 こんなに大声で吠えられては、動物が逃げてしまいます。 怒った猟師は犬の首を撥ねるのですが、胴体から離れた犬の首は、高く舞い上がり、 何者かを咥えて落ちてきました。 見ると、大きな毒蛇。 猟師は気づきませんでしたが、この大蛇が木の上から彼を狙っていたので、犬はあ れほど騒いだのです。 「可哀そうなことをした」 今更ながら後悔をした猟師は、犬をねんごろに弔ったのでした。 ほんと、後悔するのが遅いよね(^^ゞ つぅか、狩りのパートナーともいえる犬を、そんな簡単に殺すかなぁ????? いろいろと疑問は残りますが、犬という動物が、どれほど頼りにされる存在か、こ れらのエピソードが如実に物語っていると思いません? 鎮平六は、化け物退治の後、どんな余生を送ったのでしょう。 幸せだったらいいんだけど。