祭 神:八束水臣津野命 説 明:境内看板を転載します。 「『八束水臣津野命あもりまし時、ひとりの姫神(御名は石見天豊足柄姫命)あらはれて、告げ ていはく、此国に八色石あり。山をから山となし、川を乾川となし、蛇と化けて、常に来て民 をなやますと。 命国蒼生の為に之を亡さやと、おもほして、姫神のたつきのまにまに、其所に到り、其石を二 段に切たまへば、其首、飛去て邑智郡の龍石となり、其尾は裂て、這行美濃郡角石となる。是 より国に禍なしとて、姫神いたく喜悦て、やがて吾庵にいざなひて種々にもてなしつ。かれ命 いなみあへで庵にやどりて、夜明けて見たまへば、其姫編み忽然にかはりて、一の磐となりき。 命訝しくおもほして、此はあやしきいばみつる哉と、のりたまひき、かれいはみといふ龍石と いへるは、邑智郡に八色石村といふ駅ありて、その所の荘屋野田鹿作が家の上なる山に、八色 の石のあなるを、やがて神体として祭れるなん龍石なりき。其祭れる事の基を聞くに、此石と もすれば、人に祟て、えならぬ。蒼生の嘆ともかくも、しのびがたかりしを、公にきこしめし て、素佐鳴尊を祭りそへたまひしより、祟らずなりしとかや。 三月三日祭日也。上ること八丁、岩の形よく観に、うへの蛇の頭の如し。山を下て、鳥居の前 なる田中に一つの岩のあなるをば切まま時たばしりし血の、化れりし也といふ。また一丁上て 川中に夫婦石とて、二つあなる、是も血の飛び散りて化りしと語伝たり』」 住 所:島根県邑智郡邑南町八色石 電話番号: ひとこと:八束水臣津野命は、出雲国風土記で、さまざまな島や半島を引いてきて出雲国土を広くしたと される古い神です。 マウリの島釣り神話とも似ており、「南島系神話」「縄文神話」などといわれます。 大国主や素戔嗚が、古い時代に出雲へやってきた弥生人だとしたら、それよりも古い土着の人 々だった可能性があります。 そうであれば、この大蛇退治伝説は、素戔嗚の八俣の大蛇退治のモデルだったかもしれませんね。 天豊足柄姫命を祭る天豊足柄姫命神社(石神社)は浜田市に鎮座します。 境内前には石碑があり、 「石神社祀 石見天豊足柄姫命也世伝神化石事其説凶女誕不可信蓋神創闢石見国有功徳於民故民祠 祀之也観其列在式内當時祠宇之壮祀典隆可知焉中古呂降禍乱相踵頽敗而不修者数百年王政維新廃 藩置縣信寛承之地方奉朝廷敬神之旨原石神之所由詳其可興復於是新作祠宇挙祀典議為縣社欲使縣 民永有尊崇也記之以鏡乎石」 とありますが、なぜ石に変わってしまったのかとても不思議ですよね。 石見天豊足柄姫命は石見の国を統べていた姫とのことですから、女系の民族。 縄文系の可能性が高いんじゃないかな〜などと。 石に変わるというのは、なんの暗喩なのかと考えてしまいます(笑)