祭 神:天尾羽張神 説 明:天安川上流の岩屋に鎮座する神である、と古事記には記されて います。 天安河の水をせきとめ逆に上の方に水をたたえて、道を塞いで いるとも描かれており、その息子が、建御雷神。 葦原中国の平定に遣わされる神様です。 また、この神様は、伊邪那岐命が迦具土神を切り殺した剣のこ とでもあります。 住 所:奈良県御所市重坂 電話番号: ひとこと:この神社について、詳しいことは、わかりません。 が、この天尾羽張神は、川を堰き止めている神様なわけですね? つまり、一種、「塞の神」なようです。また、その子、建御雷神 も、塞の神の性質がある、といわれています。 さて、建御雷神が葦原中国に国譲りの交渉へ行くと、事代主命は、 あっさり、国譲りに同意します。 が、同じく大国主命の息子である、建御名方神は、その力を誇示 する如く、大岩を片手で軽く持ち上げて登場します。 その岩こそ、「千引きの岩」。 塞の神そのものなのです。 国を譲れという建御雷に激怒した建御名方神は、この岩を放り投 げて、力比べを挑みます。 ちょっと、おもしろいですね。 父・大国主命に国譲りに関しての意見を求められた、建御名方神 が、敵方の父の象徴=塞の大岩を放り投げるというのは、何か、 象徴的な意味が、ありそうです。 結局、古事記では、剣の化身でもあるところの、建御雷神に、建 御名方は、あっさり負けて、諏訪まで逃走しちゃうんですけれど。 この結果が、事実であったのか?それとも、違うのか。 そんな疑問を投げかけるエピソードじゃありませんか? 天安川は、高天原の神々が、なんかと言っては、集まって相談し た場所です。天照大神が岩戸に隠れた時も、この河原で神々が相 談していますし、素盞鳴尊と天照大神が誓約したのも、この河原 なんですね。 高天原にあって、重要な位置を占める川だと言えるでしょう。 その川を堰き止める神と葦原中国。 興味深いですね。