祭 神:素盞鳴尊 保食神 説 明:素盞鳴尊は、災難厄除け招福の神として勇気活力を授け給い、 保食神は五穀豊穣と商売繁盛の霊験あらたかなり。 と記されています。 この辺りは、大和川(太川)が洪水を繰り返したようです。 ですから、治水者として、素盞鳴尊を祀られたのかも知れませ ん。 なんちゅうても、大きな川のうねりとも言われる八俣の大蛇を 退治(治水)した功績者ですもんね。 住 所:大阪府八尾市南太子堂6丁目11番地 電話番号:0729−91−2178 ひとこと:ここに似た神話が二つあります。 日本書紀より一つ。 天照大神の命により保食神のところへ行った月読命は、饗応の 席に、保食神が、口から出したものを並べたことに怒り、保食 神を殺してしまいます。保食神の死体からは、いろんな穀物が 生まれましたとさ。 古事記よりも一つ。 天照大神により高天原を追放された素盞鳴尊は、大宜都比売が 口・鼻・尻から出した食物を食べさせようとしたことに怒り、 この女神を切り殺した。女神の死体からはいろんな穀物が生ま れましたとさ。 大宜都比売(おおげつひめ)のお名前から、「おげ〜〜」って 言う言葉を連想して、口からだけ食べ物を吐き出したんだと、 誤解しておりました。 まぁ、それは良いとして、こうやって見ると、保食神と、大宜 都比売は、同じ神様でしょう。殺神者が違うだけですね。 とすると、この神社は、下手すると、加害者と被害者が一緒に 祀られているわけで・・・。 それでも平気で鎮座されているところに、日本の神様の大らか さを感じてしまいます。 もっとも、こんな説があることも付け加えておかねばなりませ ん。 保食神なり、大宜都比売なりは、「殺されることによって」神 の役割を果たしたのだと。 この神を殺さねば、五穀を得ることはできなかったわけです。 そう考えると、素盞鳴尊(月読命)は、スイッチを押しただけ ということになります。 五穀を得る為に必要な材(保食神)と、それを発動するための 実行者(素盞鳴尊)とでも言いますか。 そうすると、この二神は、陰と陽、二神ながらにして、一つの 役割を果たすことになりますね。 すっごい美人だろうと思って、絵巻物を見ると、実はすごく太 ・・・じゃなくて、豊満な女性神であったりします。 でも、まぁ、豊満な女性が美人とされた時代もあったわけで、 すごい美人神である・・・とも言えますね。 どちらが欠けてもいけないわけです。 そう考えるとこの神社は、合理的な祭祀の仕方をしているのだ といえるかも知れません。