祭 神:大己貴大神(別称大国主命) 少彦名大神 八所明神 説 明:栞によれば、 「由岐明神は、昔御所内にお祀りしてありましたが、当時都は大地震 や平将門(天慶の乱)などによる天変地異にひょり、天下は騒然と しており天下泰平民幸福を祈念され、御所の北方の鎮めとして、藤 原忠平に勅して道々に篝火を焚き、鴨川の葦で造った松明を持ち、 神道具を先頭にその御行列の長さは十町に及ぶ天皇自らの国家的一 大儀式により御勧請されたのであります。鞍馬の住民は、これに感 激してこの儀式と由岐明神の霊験を後世に伝え守ってきたのが火祭 の起源であります。」 とあります。 住 所:京都市左京区鞍馬本町1073 電話番号:075−741−1670 ひとこと:興味深いのは、「由岐」は、「靭(ゆき)」からきているというお 話です。 徒然草徒然草の第二〇三段。 「大方世中のさわがしき時は、靭をかけらる」と出てくるのですが、 この靭つうのがなにか、といいますと、流罪の標なんですね。 つまり、天下を騒がす出来事、内乱や、もしくは天皇の病気などが おきると、「お前のせいだ」と、この由岐神社や、五条天神に罪を なすりつけたということなようです。 つまり、神様をスケープゴードにしたわけで、その役に選ばれたの が、出雲国を造った神々・大己貴と少彦名というのは、わかり易く も、不遜ではございます。 実際問題、大和朝廷から見れば、大己貴も、少彦名も「異国の神」 です。 流罪にしようが、なんだろうが、もともと、身内ではなかったこと になるんでしょうね。 それにしても・・・。 例えば、あなたが、会社のある部署のリーダー(課長でも部長でも) に任命されたとします。 その部署は部員の仲が悪く、なかなか結束しません。 さて、どうすれば、結束してくれるでしょうか? ・・・・・。 一番簡単なのが、仮想敵を作り上げることです。 みんなの敵をでっち上げるんです。 「僕達を付け狙う悪い奴がいるんだ!」 「僕達、こんなに仲間割れしてたら、彼らの思う壷だよ!!」 「皆で、結束して、敵に立ち向かうんだ!!!」 これほど効率のよい、運動はないです。多分。 その、仮想敵とするのに、都合よいのは、異国の神でしょうね。 「僕達の天皇様が病気だ!」 「これは、悪の陰謀だよ!!」 「悪って、大己貴と少彦名のことなんだ!!!」 「神様だけど、天皇様を苦しめるなんて許せないだろう?」 「みんなで立ち上がって、彼らを追放しよう!!!!!」 そんなところだったのかもしれません。 神は祟る、と人間は恐れます。 でも、神様から見た人間ほど、神様のたたりは恐ろしいですか? 人間の方が恐ろしい、と、思います。 神様は、いつでもどこでも誰にでも、自分の力を誇示されるような ことはありません。 どうしても許せないところだけに、力を発揮されます。 でも、人間は? そんなことを考えてみたら、人間って、勝手だよね・・・。 んなことを考えちゃうのでした。 くわばらくわばら???