kenkou

敢国神社

aekuni




  祭  神:大彦命 少彦名命 金山比咩命 
  説  明:ご由緒書を転載します。
      「当神社の御祭神は大彦命を御主神とし、外に少彦名命・金山比咩命の二柱を
       配祀申し上げてあります。
       大彦命は第八代孝元天皇の皇子で崇神天皇の御代、四道将軍のお一人として
       北陸未開の地を教化し、後、伊賀の国に永住せられ国家繁栄の礎を築かれま
       した。
       命の御遠征による御活躍にあやかり交通安全その他、健康長寿の神として御
       霊徳を仰がれて居ります。
       また少彦名命は医薬・酒造の祝神で世に恵美須様と称し商売繁盛・大漁豊穣
       の守護神としてその御恩沢尽くるところがありません。
       金山比咩命はその御名の如く採鉱冶金機械工業など近代産業に霊験を垂れ給
       う守護神であらせられます。」
  住  所:三重県上野市一の宮
  電話番号:0595−23−3061
  ひとこと:この神社はご神体山(南宮山)が、拝殿の向かいにある・・・つまり、参拝
       すると、御神体にお尻を向けちゃうことになる・・・ということで有名なん
       だ、と最近教わったのですが・・・全然気づきませんでした(^^ゞ

       神社の場所が移転されたのでしょうか、それとも???

       さて、とりあえず、大彦命について見て見ましょう。

       まず、日本書紀の「孝元天皇条」を見ますと、
      「七年春二月二日、欝色謎(うつしこめ)命を立てて皇后とされた。后は二男
       一女を生まれた。第一を大彦命という。第二を稚日本根子彦大日日(わかや
       まとねこひこおおひひ)天皇という。第三を倭迹迹姫命という。
       妃の伊香色謎命は彦大忍信命を生んだ。次の妃、河内青玉懸の女、埴安媛は、
       武埴安彦命を生んだ。兄の大彦命は阿倍臣・阿閉臣・狭狭城山君・筑紫国造
       越国造・伊賀臣等すべて七族の先祖である。」

       関係なさそうに見えるところまで引用しているのは、兄弟と母親にも気にな
       る点が多いからなんです。

       まず、皇后・妃に、なぜか、「色謎(しこめ)」が多いですね。
       しこめ・・・っていうと、つい、「醜女」という字を充ててしまいますが、
      「色女」という字をあてると、醜いどころか、なんか色っぽいですよね(笑)

       なぜ、「しこめ」を二人も妃にしているか、これが気になる点であります。

       次に、妃である伊香色謎命は、次の天皇である開化(稚日本根子彦大日日)
       天皇の皇后にもなっています。

       もしかしたら同名別人かもしれませんが、同じ人だとしたら、開化天皇は、
       義理の母親を妻にしたのですね。
       つまり、女性=母との繋がりが重要だった、ということを感じます。

       さてさて。
       大彦命についてならば、崇神天皇条が詳しいです。

      「十年九月九日、大彦命を北陸に、武渟川別を東海に、吉備津彦を西海に、
       丹波道主命を丹波に遣わされた。詔りして『もし教えに従わない者があれ
       ば兵を以って打て』といわれた。それぞれ印綬を授かって将軍となった。
       二十七日、大彦命は和珥坂についた。ときに少女がいて歌っていた。
        ミマキイリビコハヤ、オノガヲヲ、シセムト、ヌスマクシラニ、ヒメナ
         ソビスモ
       そこで大彦命は怪しんで少女に尋ねた。『御前が言ってることは何のこと
       か』と。答えて『言っているのではなく、ただ歌っているのです』と。重
       ねて先の歌を歌って急に姿が見えなくなった。大彦は引き返して、仔細に
       有様を報告した。
       天皇のおば、倭迹迹日百襲(やまととびももそ)姫命は聡明で、よく物事
       を予知された。その歌に不吉な前兆を感じられ、天皇にいわれるのに、
      『これは武埴安彦が謀反を企てているしるしであろう。聞くところによると、
       武埴安彦の妻吾田媛がこっそりきて、倭の香具山の土をとって、頒巾(ひ
       れ)のはしに包んで呪言をして、“これは倭の国のかわりの土”といって
       帰ったという。これでことが分かった。速やかに備えなくてはきっと遅れ
       をとるだろう』と。」

       大彦命の妹に、倭迹迹姫という女性がいますが、倭迹迹日百襲媛と、同一
       なんでしょうか?
       倭迹迹日百襲媛は、この後、三輪の大物主命に嫁ぎます。
       ただ、大物主命は夜にしか現れず、
      「姿を見たい」と願う姫のために、「明日の朝、小箱の中を見てみるがいい。
       そこに私の姿があるだろう」と、答えます。
       ただ、こう付け加えるんですよね。
      「ただし、びっくりするなよ」
       と。

       三輪の大物主命の正体は、蛇なもんですから、大物主命が、「びっくりす
       るなよ」というのも無理ありません(笑)

       ただ、そういわれても、姫がびっくりするのも無理はないと、私は思うの
       ですが、
       びっくりしてしまった姫に対し、大物主命は、
      「恥かかせたな!!」
       と激怒。
       姫は、後悔のあまり、陰部に箸をつきたてて死んでしまいます。

       山幸彦は、「見るな」と言われた奥さんの出産シーンを覗き見てしまった
       けど、奥さんの豊玉姫は、実家に帰っただけでした。

       大物主命は、「見てもいい」と言ったのに、ただびっくりしちゃった姫を
       許しませんでした。

       男って!!!!!

       ・・・は、まぁ置いといて(笑)
       この後、大彦命は、彦国葺という人物と一緒に、祝園で、武埴安彦を打ち
       ますが、直接、埴安彦を射たのは、彦国葺でした。

       この彦国葺は、和珥氏の祖です。
       大彦命が、不思議な歌を歌う少女と出会った坂の名と同じ氏の名なのが、
       少し興味深い。

       彦国葺については、記紀ともに、「和珥氏の祖」ということしか書いてあ
       りませんが、この少女との縁者かもしれません。

       そして、その後、古事記によれば、大彦命は「越の国(北陸)」に行かれ
       たとされています。

       そして、その後、この伊賀に永住されたのですね。

       さて、伊賀といえば、伊賀忍者。

       忍者の前身がなんだったのかはわかりませんが、山の地利に詳しく、薬草
       の知識も深い人々だったでありましょう。

       そして、彼らを語るときに、あまり目立ちませんが、「製鉄」との関係を
       考えずにはおれません。

       確かに、山に住む者には、町で暮らす者よりも鉄を必要としたでしょう。
       木は伐採せねばなりませんし、野生の動物など脅威も多い。

       そして、なによりも、鉄を産出するのは「山」でしょうから。

       ですから、この神社に、少彦名命・金山比咩命の二柱がお祀りされている
       ことは、とても興味深いのです。

       少彦名命は、薬草の神でもありますから。

       伊賀忍者とは、大彦命の流れを組むのかもしれません。      

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