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赤猪岩神社

tomoda

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大国主が抱いて落命したとされる岩……を封印する大石(笑)




  祭  神:大己貴命
  説  明:境内案内板を転載します。
      「大国主神を主祭神とし、須佐之男命と櫛名田比売を合祀する。
       古事記によれば、大穴牟遅神(大国主神)には、八十神といわれる多くの庶兄弟
       があった。
       八十神たちが八上比売に求婚するため、稲羽へ旅する途次、後からしたがってい
       た大穴牟遅神は、気多の前(現在の白兎海岸か)で素菟を救い、八上比売と結婚
       したので、八十神たちの恨みをかった。
       出雲への帰途、『伯伎の国の手間の山本』で、八十神たちは、『赤き猪この山に
       在り。故、われ共に追い下しなば、汝待ち取れ。若し待ち取らずば、必ず汝を殺
       さむ』といい、猪に似た石を真っ赤に焼いて転げ落とした。大穴牟遅神はその石
       を抱いて焼け死んだ。母神刺国若比売は泣きながら天上に上り、神産巣日之命に
       訴えたので、キサガイ比売(赤貝の神)とウムギ比売(蛤の神)を遣わされた。
       二神は、石に張りついた大穴牟遅神の身体をきさげ集め、貝殻を削った粉を清水
       で母父のように練って塗ったところ、たちまち蘇生して麗しい男子になり、元気
       に歩き回られた。
      『伯伎の手間の山本』を、現在地(南部町寺内字久清)として赤猪岩神社は祀られ
       ている。」
      「封印されている赤猪岩
       神社境内の社の裏手には、『大国主命が抱いて落命した』と言い伝えられている
       岩が封印されています。
       この岩は、地上にあって二度と掘り返されることがないよう土中深く埋められ、
       大石で幾重にも蓋がされ、その周りには柵が巡らされ、しめなわが張られていま
       す。
       これは『厄の元凶』に対する注意を、子々孫々まで忘れてはならないことを教え
       ています。
      『受難』『再生』『次なる発展への出立』の地として、『再起』にご加護を願い、
       赤猪岩神社を訪れる人は数多であったと伝えられています。」
  住  所:鳥取県西伯郡会見町寺内232
  電話番号:
  ひとこと:神社まで、急な階段が続いていました。
       この山の上から、岩を落としたのなら、かなりの勢いで落ちてきたのではないで
       しょうか。
       そりゃ生きてられませんよね(^^ゞ
       
       しかし、八十神たちは、なぜ大穴牟遅神を殺そうとしたのでしょう?
       殺したって八上姫の心を手に入れることはできないでしょうし、逆恨みの末だと
       しても、短絡的すぎる(^^ゞ
       
       シヴァ神は、破壊と再生の神。
       破壊なしには再生もあり得ません。
       
       ……ということなのかもしれませんね。
       
       つまり、古く弱い大穴牟遅神を殺し、新しく強い大穴牟遅神に生まれ変わるため
       のイニシエーションであったのかもしれません。
       
       大穴牟遅神は、八十神たちに二度殺されます。
       一度目はここ、赤猪岩神社で、燃える岩を抱かされて。
       
       そしてもう一度は、割けた木に挟まれるという形で死にます。
       このときも、加害者は八十神。
       しかしやはり、母の願いにより生まれ変わるわけですから、八十神には大穴牟遅
       神を殺す力はなかったと考えるのが妥当でしょう。
       
      「ここにいたら命がいくつあっても足りない」
       そう思った刺国若比売は、大穴牟遅神を根の国の素戔嗚尊に預けます。
       そしてここでも、素戔嗚尊により何度も殺されかけます(^^ゞ
       
       蝮の室に入れられたり、毒虫の室に入れられたり、あげくのはては、草原に連れ
       出され、周囲から火を放たれたり……。
       
       でもこのときも、九死に一生を得るのですよね。
       
       八十神たちは、とにもかくにも一旦は大穴牟遅神を殺すことに成功しました。
       でも、素戔嗚尊は一度も成功しません。
       そしてその影にいたのは、大穴牟遅神の妻となった須勢理姫……。
       
       母である刺国若比売は、死んでから生き返らせることしかできませんでした。
       でも妻である須勢理姫は殺すことさえさせませんでした。
       
       ……その違いに着目するのもアリかもしれません。

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