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瘡山神社

tomoda

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絵馬




  祭  神:大己貴命
  説  明:境内案内板を転載します。
      「伝えによると、垂仁天皇のとき、皇女倭姫命が巡幸の途中、ここに憩われて、白
       菅の御笠をこの杉樹にお懸けになった。これにより笠山神と言い、病苦平癒の霊
       験があらたかとされ、以来、参拝する者はあとをたたない。
       笠山神社の御神木笠杉は、由緒をもつのみでなく、一株が三幹に分かれ、水口八
       景の一つとして、また旧水口町の天然記念物に指定されるなど、名実ともに偉容
       を誇った。
       しかし、神木笠杉も昭和三十七年の伊勢湾台風で被害を受けて以来、とみに樹勢
       に衰えが見えはじめ、里人の願いと努力にかかわらず、昭和五十五年、ついに六
       百年の木寿を終えた。
       ここにある笠杉は、二代目として初代の地に、その由緒を引き継ぎながら、改め
       て里人の信仰を集めて成長し続けるものである。」
  住  所:滋賀県甲賀市水口町高山364
  電話番号:
  ひとこと:地図や案内板には「笠山神社」とあるのですが、鳥居の扁額には「瘡山神社」と
       ありましたので、こちらで紹介させていただきました。
       天満神社の境内社にあたるようです。
       
       というのも、どの神社でも「笠」と名のつく場合は、大概「瘡平癒信仰」がある
       からです。
       
       瘡というと、普通は疱瘡のことになるのでしょうが、東京の笠森稲荷は、梅毒平
       癒の信仰で知られ、川柳などにも読まれています。
       
       この神社ももともと倭姫の笠をかけた場所であることから「笠山神社」と名付け
       られ、中世、瘡平癒の信仰が流行した際、「笠」にひっかけてこの神社が信仰さ
       れたのかもしれません。
       
       ただ、倭姫が……というところがとても興味深いんです。
       
       梅毒平癒といえば、淡島様を思い出します。
       淡島様は天照大神の六女で、住吉神に嫁いだが、婦人病にかかったためうつろ船
       で流され、加太に到着し、世の悲しい女性を守護する存在となったと伝えられる
       女神です。
       
       同じような伝承が、茨城県にある月水神社では、岩長姫のこととして伝わります。
       
       また、岐阜県の願成寺では、中将姫の伝承とします。
       
       大阪府茨木市にある磯良神社では、神功皇后が境内の水で顔を洗うと、痘痕だら
       けの顔になってしまったという話が残されます。
       神功皇后は「これは男になれという神意に違いない」と男装をし、三韓へ向かい
       ます。戦の後再び同じ水で顔を洗うと元の美しい顔に戻ったとか。
       この伝承を、梅毒の女性とつなげるのは無理があるかもしれませんが、梅毒につ
       いてWIKIで調べてみると、第二期に、バラ疹が表れるが、放っておいても一
       か月ほどで消えてしまうとあります。
       吉行淳之介氏によれば、このために、「瘡が治った」と誤解する人が多く、それ
       がゆえに、笠森信仰が存続しえたのだと言います。
       神功皇后の顔が元に戻ったという話は、「瘡が治った」という信仰と繋がると考
       えても、無理はなかろうと思うんですね。
       
       大和高田市磯野町には、静御前が病を養ったという笠神の森があります。
       
       淡島様、岩長姫、中将姫、神功皇后、静御前。
       この女性たちは皆、安住の地を得るまで苦労した女性たちです。
       岩長姫は安住の地を得たという結末が語られていません。
       神功皇后は遠く海外まで戦争に出たというだけではありますが、苦労は苦労です
       よね。
       
       その中に、倭姫が入ってもなんら不自然はないなと思いませんか?
       
       倭姫は、天照大神を、皇居外から伊勢神宮へとお遷しした、伊勢の初代斎宮です。
       伊勢という地を見つけるまで、彼女は大変な旅をしたでしょう。
       
       さて、社にはたくさんの絵馬がかけられていました。
       その意匠は、どうやらオコゼのようですね。
       オコゼと言えば、山の神に捧げられる魚。
       山の神は醜いので、美しい魚を供えると、ご機嫌を悪くされるのだという信仰が
       あるんですね。
       
       ……どうも、いろいろな信仰が混ざっているようではありますが……。
       瘡を患った女神が関わっているのなら、オコゼが意匠に使われる意味も、わかる
       ように思います。
       
       私のライフワークは、自らがつらい思いをしたがために「私のように悲しい目に
       合う女性はいない方がいい」と女性の守護神になった女神を追いかけること。
       その女神が一柱、増えちゃいました(^^ゞ

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