祭 神:宇迦御魂神 大己貴神 大宮姫命 素盞男命 猿田彦命 若宮葛乃葉 説 明:宇迦御魂神・大己貴神・大宮姫命・猿田彦命・保食命の5神 の総称を、稲荷様と呼ぶのだそうで、この「葛葉稲荷」には、 保食命以外のすべての神様が勢揃いしておられます。 素盞男命は、宇迦御魂神の父親であり、大己貴神の義父とい う繋がりからの登場でしょうか? そして、若宮葛乃葉。 浄瑠璃「芦屋道満大内鏡」で有名な信太明神の御遣い・白狐 です。 「芦屋道満大内鏡」とは言え、芦屋道満は、敵役です。 安倍保名という陰陽師が、芦屋道満の弟悪右衛門から助けた 白狐が、女性に化けて、保名との間に子を成すのです。 この白狐が、葛の葉、そして、葛の葉と保名の子供が、かの 有名な安倍晴明です。 正体を見られた葛の葉が、障子に書き残したと言われる歌、 「恋しくば尋ねきて見よ和泉なる 信太の森のうらみ葛の葉」 の信太ってのがここなんである、と、そういうわけです。 住 所:大阪府和泉市葛ノ葉町3 電話番号:0725−45−7306 ひとこと:しかし、芦屋道満ってのは、どういう人物なのでしょう。 安倍保名の陰陽師としてのライバル。が、保名は奸計にはま り、罪人の烙印を押されます。そして、その意趣返しをする のが、息子・晴明・・・というのが一般的に知られているス トーリーなのですが・・・。 兵庫県佐用市に、「芦屋道満塚」と「安倍晴明塚」がありま す。佐用市に縁が深いのは、芦屋道満の方。 芦屋道満は、播磨で人気のあった陰陽師なのです。 安倍晴明は、伝説の陰陽師。主に京都で活躍しているようで すが、芦屋道満は、勢力争いに負けて、ここ、播磨に流され てきたのではないか、と考えられているようです。 ただし、勢力と実力は違いますからね。道満の方が実力で劣 っていたかどうかなんて、今となっては誰にもわからないの です。 が、語り継がれている物語の中で、安倍保名を陥れたり、殺 したり、晴明の妻を寝取ったり、とことん悪く書かれている ところを見ると、かなりの実力者だったのでしょう。 力のない人物なら、悪く書く必要はないですからね。 「陰陽の術に劣っていた」これで済むってなもんです。 あ、そうそう、信太稲荷のことですね。 この信太の森は、枕草子にも「森は信太」と書かれているほ どの森だったのだそうです。 この森にある、「夫婦楠」は、良縁成就の霊験があらたかな そうで、保名・葛の葉の物語とともに、この神社を「良縁祈 願の神社」として、名を高めています。