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鳥坂神社

torisaka




  祭  神:大日る貴命 武内宿禰 愛鬘命(下照姫) 彌都波能賣命
       健速須佐之男命 彌五郎 大山祇神 木花咲耶姫命
       速玉之男命、大山咋神
  説  明:延喜式内社。
  住  所:三重県阿山郡大山田村甲野字石神1301
  電話番号:
  ひとこと:いや〜〜〜、資料がありません。
       ヒントは、
       @「愛鬘神」について「又の御名下照姫」と説明されている
       A「彌五郎」とは誰か
       B大伴氏が賜ったという「築坂邑」に比定される、橿原市鳥屋
       町には、同じ「延喜式内社 鳥坂神社」が2社ある
       C鳥坂は「とりさか」「とさか」とも読む
       ということくらいでしょうか。

       祭神もばんらばらで、かなりあちこちの神社を合祀したな?
       という感じがします。
       もともと誰をお祀りしていたのか・・・?

       し方がないので、4つのヒントから、ちょっと妄想してみまし
       ょう。

       @愛鬘神
      「大和名所記」という書物があります。
       この第十一巻 
      「天孫臨降の時、卅二神、相そいてあまくだります次に護国後見
       にくださるゝ卅二神と云々。愛鬘命は勝手大明神なり」
       とありますね。
       勝手大明神とは、吉野山にもある、役小角にも縁深い神様です。
       下照姫は、和歌の神様でもありますから、そういう意味で、お
       祀りしている神社もいくつかあるようですが、この聞き慣れな
       い「愛鬘神(うけのりのみこと)」という名前でわざわざ祀っ
       ているということは・・・。
       役小角・・・。加茂氏と関係が深い神社なのかも知れません。

       A彌五郎
       愛知県津島市にある「津島神社」には、「彌五郎殿」という、
       大巳貴命と、竹内宿禰をお祀りした境内摂社があります。
       この彌五郎とは、堀田彌五郎。
       夢で、大己貴命と武内宿禰を勧請するというお告げをうけた人
       物なのだそうです。
       また、南朝方についた人物でもあったようで、この人物が、一
       番可能性が高そうですね。

       B築坂邑
       もし、この祭神の中に、大伴氏関連の神様がいれば・・・。
       関係があると思ったのですが、今のところ、関連深そうな名前
       前は・・・。
       私にはわかりかねますね(^^ゞ

       C「とさか」の場合。
       とさかと言ったら、鶏でしょう。
       祭神のトップにきている、大日る貴命、つまり、天照大神が岩
       戸に隠れた時、まず、神々は、何匹もの鶏にときの声を作らせ
       たことが出てきます。

       これは、非常に納得がいくやり方です。
       鶏が鳴けば、太陽が出てくるというのは、いろんな物語のモチ
       ーフにでてきますから。
       もしも、本当に、この「鶏のとさか」なのならば、天岩戸事件
       で活躍(?)した鶏さんにご縁の神社かも知れません。

       詳しいことがわからないので、鶏がをモチーフとした物語を紹
       介してお茶を濁しましょう。
      
       まずは日本から、
       柳田国男氏の「団子浄土」
       お地蔵様によい団子を供え、自分には汚れた団子を食べた男に
      「私の頭の上に上りなさい」とお地蔵様がおっしゃいます。
       辞退する男に、団扇を貸して、どうしてもと、頭の上に上らせ
       ます。
      「しばらくすると鬼がやってきて博打を始めるから、うちわを叩
       いて羽音の真似をし、その後、鶏の鳴く真似をなさい」と教え
       られ、男がその通りにすると、鬼は、お金を落として逃げてし
       まいます。
       そこで男はそのお金を拾ってお金持ちになりました。

       これは、魔が太陽を嫌うことを示した話ですね。

       次に聖書から、
      「マルコによる福音書 14章」

       キリストが、十字架に懸けられる前夜、自分だけはつまづかな
       いと主張するペテロに対して、イエスは、
      「あなたに真実を申します。あなたは今日、まさに今夜、二番鶏
       が鳴く前に、私のことを3度否定するでしょう」
       と言うのです。
       しかし、自分自身も、十字架にかけられて、
      「主よ主よ、なぜ私を見捨てたのですか(エリ エリ ラマ サ
       バクタニ)」と主を疑ってるのですから、ペテロのことを責め
       られたもんでもないでしょう。

       次はグリムから、
      「ホレおばさん」
       継母にいつもいじめられていた優しい娘が糸巻きを井戸に落と
       してしまいます。
       継母に「どうしてでも糸巻きをとってこい」と言われ、仕方な
       く、娘が井戸に飛び込むと、そこには別世界が広がっていたの
       でした。そこで、大きな歯の生えた「ホレおばさん」に奉公す
       ることになった娘は一生懸命はたらきます。
       その仕事の一つは、ホレおばさんの羽毛の布団を床直しの時に
       丹念に振るうことでした。
       この羽毛布団を丹念に振るうと、羽毛が飛び散ります。
       これが人間界の雪になるんです。
       さて、娘がよく働いたので、ホレおばさんは、褒美にどっさり
       金貨をあげ、地上に返してあげます。
       すると娘の家の鶏が、
      「キッキリキー うちの黄金のお嬢様がお帰りだよぅ」
       と鳴くのでした。
       
      「団子浄土」も「ホレおばさん」も、次に欲のはった人間が同じ
       ことをしようとして、失敗しちゃいます(ホレおばさんに仕え
       た娘の義妹の場合、真似をしてホレおばさんに会うまではいい
       のだけれど、ちっとも働かないため、黄金の変わりにうんこを
       体中につけられちゃいます。ちなみに鶏は、「キッキリキー 
       うちのばっちぃお嬢様がお帰りだよぅ」と鳴きます。ぷぷぷ)。

       しかし、ホレおばさんにおいての鶏は、「朝」を表すのではな
       く、「宣言するもの」として出てくるのですね。

       ちなみに八坂書房の「世界シンボル事典」によりますと、雄鶏
       は、肉欲や好戦性を示すシンボルとして、中世ヨーロッパでは
       用いられたとあります。

       黒ミサで、雄鶏の血を捧げるのは、「精液」の意味があるのか
       も知れませんね。       

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