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畝尾都多本神社

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  祭  神:泣澤女神
  説  明:式内社です。
       案内によりますと、
      「此の神社は古く古事記上巻約千二百五十年前香山の畝尾の木
       本に坐す名は泣澤女神日本書紀畝丘樹下所居神延喜式神名帳
       畝尾都多本神社鍬靫万葉集巻二弐書の反歌類聚歌林桧熊女王
       の歌であり

       石長比売神は寿命を司り、泣澤売神は命乞いの神なり 平田
       篤胤 玉襷

       春雨秋雨等語源的に澤女は雨に通ず水神なり
      (本居宣長古事記伝)」

      「哭澤の神社に神酒すゑ祷祈れども
         わご王は高日知らしぬ
           『巻ニ−ニ〇ニ』
              伝 桧隈女王
       哭澤の社にお神酒を供え、回復を祈ったけれども、その甲斐
       なく高市皇子はお亡くなりになった、という意味です」
       などとあります。
  住  所:奈良県橿原市木之本町114
  電話番号:
  ひとこと:泣澤女神とはどんな神様でしょうか。
       古事記に出てくる神様です。
       伊邪那美命が火の迦具土神を産んで、火傷がもとで亡くなっ
       た時、夫・伊邪那岐命が泣叫んだ涙から生まれた神様です。

       この時の、伊邪那岐命の台詞が振るってますので、転記しま
       しょう。
      「愛しき我が汝妹の命を、子の一木に易(か)えつるかも」
       つまりですね、現代語訳すると、
      「私の最愛の妻を、あの子一人に代えてしまったのは残念だ」
       と、なるわけなんです。

       しかも、一人じゃなくて、一木と言ってますね。
       この単位はよくわかりませんが、どうも、「一匹」くらいの
       軽いものを数える時の単位なようです。

       そりゃまぁ、伊邪那岐命・伊邪那美命の子供は、100柱ほ
       どおりますけれども・・・。

       伊邪那岐命の言い分は、例えばこんな感じです。

       1円玉が落ちていたから、拾おうと思ったら、地面にぴった
       り貼り付いて、剥がれない!!

       なにか、こう、地面と1円玉の間に指し入れて、ひっぺがす
       ものはないか、と探してみたら、おう、財布に一万円札があ
       るではないか。

       よしよし、この一万円札で、1円玉をすくいあげよう・・・
       としたら、激しい突風!!!

       驚いて力が抜けたもんだから、一万円札はひらりひらりと、
       彼方へと飛んでいってしまった。

       1円玉はうまく剥がれて拾えたけれども・・・。

       1円玉のために、一万円札を失ってしまったのは返す返すも
       口惜しいやなぁ・・・。

       かわいそうな迦具土クン。
       火の神に生まれてきたのは自分のせいじゃないのに。
       生まれてきた途端、母親は、黄泉の国へ行っちゃうし、父親
       は自分を殺すし。

       とまぁ、そういう伊邪那岐命の、ある意味、薄情な涙から生
       まれてきたのが、泣澤女神だとも言えちゃいます。

       ありゃりゃ。

       しかし、夫婦愛という目で見てみると、伊邪那岐命が、どれ
       だけ伊邪那美命を大事に思っていたか、ということがわかり
       ます。

       迦具土神に対する、冷たい言葉も、伊邪那美命を失ったショ
       ックで、自分でも思わぬことを口走ってしまったのかもしれ
       ません。

       そうすると、泣澤女神は、夫婦の深い情愛の涙から生まれた
       神様だと言えます。
       こっちを採用!ですね。

       この後、伊邪那岐命は伊邪那美命をおいかけて黄泉の国へ行
       くのは周知の通りです。

       が、もしかしたらご存知ない方の為に説明しておくと、黄泉
       の国についた伊邪那岐命が、伊邪那美命に一緒に帰ってくれ
       るように言うと、伊邪那美命は、自分は黄泉の国の食べ物を
       食べてしまったので帰れないと思うんだけど、掛け合うだけ
       掛け合うからちょっと待っててね。でも、私の姿、見ないで
       ね。と、出て行きます。

       これで、伊邪那岐命が約束を守っちゃったら、お話は進まな
       い。勿論、伊邪那岐命は、待ち切れなくて、伊邪那美命を、
       見てしまいます。

       でもね、伊邪那美命はもう死んでるんです。そこにあるのは
       死体。しかも、腐乱が始まった死体です。

      「見〜〜〜た〜〜〜〜な〜〜〜〜〜!!」
       とおっかけてくる伊邪那美命と黄泉の国の鬼たち、辛うじて
       逃げ延びた伊邪那岐命。

       ここで二人は、永遠の別れをすることになります。

       伊邪那岐命は生者の世界に、伊邪那美命は死者の世界に。

       とすると、伊邪那岐命はまだ黄泉の国へは行ってないのでし
       ょう。
       つまり、まだ生きておられる。

       神様の生死って、なんなんだろう・・・。       

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