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石作神社・玉作神社

ishidsukuritamatsukuri

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伊吹山




  祭  神:石作神社:天の火明の命
       玉作神社:玉の祖の命
       西の宮社:八幡大み神
  説  明:境内にあった案内書を転記します。
      「遠い昔、此の地に石作連・玉作連という技術集団が住んでいた。
       石作・玉作神社はそれぞれ其の祖先を御祭りし、延喜式神名帳に其の名を列
       している。
       即ち、石作連は天忍穂耳尊の御子・天火明命六世の孫、建真利根命より出た
       事が新撰姓氏録に記されている。
       又、垂仁天皇の皇后・日葉酢媛命が崩御された時、石棺を作って献上した記
       録がある。
       玉作連は高魂命御孫・天明玉命(別名玉祖命)の子孫で、天津彦火瓊々杵尊
       が芦原の国降臨の時に従って神事用の玉を造作したことが記録に残っており、
       当地の南五百米の所に古墳時代日本最古の玉作工房群の遺跡がある。
       この両部曲は何れも古代における高度な文化を持ち、木之本町南部での経済
       上、人文上の中心を成していたと考えられる。
       しかし、度々の戦禍で社殿は」消失し、其の都度村人相協力して再建してき
       たが、文明四年(1472)当地の地頭であった佐々木民部少将が両社を合
       祀し更に千田の里邑の産土神八幡の神を相殿に祭った。
       現在の社殿は延宝五年(1677)村人たちによって再建したもので、大正
       十一年(1922)に県社に列せられた。
         玉垣移転記念 平成三年十一月吉日 建立」
  住  所:滋賀県長浜市木之本町千田793
  電話番号:
  ひとこと:つまりこのあたりには、玉作連と石作連が居住していたということだと思う
       んですが、私が注目したいのは、伊吹山とのかかわりです。
       
       伊吹山といえば、ヤマトタケルが命を落とす原因となった「荒ぶる神」の棲
       まう山でもありますが、もう一つ、「伊吹童子」の存在も忘れられません。
       
       彼は八俣大蛇の生まれ変わりであり、のちの酒呑童子でもあります。
       
       出雲と大江山を結ぶ点が、伊吹山にあるのは面白い。
       
       伊吹童子の詳細な説明は、伊富岐神社の項に、『室町物語集』からばっちり
       引用してありますので、そちらをどうぞ。
       
       もとい。
       ここ、千田の郷(玉作の郷)も、伊吹童子との関連が深いので、『日本の伝
       説 近江』から関連個所を引用してみますね。
       
      「千田は玉作りを業とする里だった。ある時伊吹の主、伊吹三郎がこの里へや
       って来て、玉を磨いている美しい娘を見染めた。娘は玉姫といって、里の長
       の息子と許婚の仲だった。
       伊吹三郎から娘を望まれて、父親は当惑した。音に聞こえた怪力の持ち主で
       おまけに暴れ者と来ているから、へたに断ると里びとたちにどんな迷惑がか
       かるかしれない。父親は里の長に相談してほしい、といって逃げをうった。
       伊吹三郎におしかけられて、里の長も困ってしまった。思いは同じで、何と
       か怒らさないようにして帰さなければならない。里の長もいずれ改めてと一
       時のがれの返事をした。
       三郎はおとなしく伊吹の山へ帰った。そして三年の年月が流れた。催促をす
       るたびに、千田の里からは、のらりくらりと一日延ばしの返事が来る。業を
       煮やした三郎は、とうとう一声天に吼えると怒り猛り、手当たり次第に岩を
       ひっつかんで投げはじめた。岩を唸りを上げて湖北の空を飛んで、玉作りの
       里へ降り注いだ。自分のために厄災が降りかかるのを見た玉姫は小さい胸を
       痛めたが、とうとう決心をして、伊吹三郎のもとへ行くことを父親に告げた
       のだった。
       玉姫が里を出ると、岩の雨はピタとやんだ。里の長の息子は、玉姫の身を案
       じながら一生を独り身ですごしたという」
       
       つ~か、いつまでも「もうちょっと考えさせて~」が通るわけないよねぇ。
       長の息子も、玉姫が行ったあとに身を案じるんじゃなく、行かなくていいよ
       うに案じりゃいいのにさ。
       
       ……しかしまぁ、この話は「猿婿」とか、「蛇婿」に通じるものがあります
       よね。
       
       伊吹三郎がどんな人かといえば、伊吹山を拠点とした部族の長でしょうが、
       なぜそこまで、玉作の里の人たちに恐れられていたのだか。
       
       個人的に、玉姫は三郎に大事にされて、幸せに過ごしたと思うな(笑)
 

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