祭 神:若比咩命(六之宮) 説 明:境内の案内板を転記します。 「祭神若比咩命は阿蘇五之宮惟人命の妃であられ、天人の女、容姿艶麗、才色 の誉れ高く、主神を助けて、九州の開発に尽くされ、神功皇后の三韓の役に 母神蒲池比咩命共に惟人命御出征の留守を預かりたみてよくその使命を果さ れ後顧の憂いなからしめ給いし功績は特に大書すべきものであった。この役 の功により母神蒲池比咩命は宇土郡郡浦神社に、惟人命は上益城郡甲佐神社 に祭神として祭祀せられ、阿蘇四社(阿蘇・健軍・甲佐・軍浦)として阿蘇 大宮司直祭となる。 乙姫神社は之に準じて大祭は大宮司が執り行っていた。 (かつては天然痘(疱瘡)の神様として名高く、遠近より小児の成長を願って 参詣が絶えることは無かった)」 住 所:熊本県阿蘇市乙姫1300番地 電話番号: ひとこと:阿蘇大神の妻阿蘇都姫の叔父にあたる新彦命と天女の伝承です。 『日本の伝説』によれば、ミコトは田鶴原神社のあたりにあった泉で、天女が 水浴びをしているのを見つけ、羽衣を隠します。 水からあがった天女は次々天へと帰りますが、一人取り残された天女は、ミ コトがどうしても羽衣を返してくれないため、泣く泣くその妻となりました。 彼女はあきらめたそぶりで、十二人もの子供を生みますが、『こんなにたく さんの子供ができたのだから、もう天へ帰りたいとはいわないだろう』と安 心したミコトが、 汝が母の 羽衣は 千把こずみの 下にあり 子守歌にポロリと隠し場所を漏らしてしまうんですね。 さて、天女はどうしたでしょう? いそいそと羽衣を探しだし、さっさと天へ帰ったのでした(笑) その後ミコトが嘆き悲しむと、天女は こいしくは たずねござれや 宮山に と歌ったとか。 宮山は乙姫山とも呼ばれるとのこと、また乙姫神社のご祭神は天女と深いか かわりがあるとのことなので、新彦命が天女を尋ねたのは、ここ乙姫神社の 場所かと思います。 なんにせよ、十二人もの子供がいても、夫より天を選んだ天女は、この世の 人とはなれない人だったのでしょうね。 かぐや姫は、誰の妻にもなりませんでしたが、天へ帰る時には涙したのにね。 それほど、新彦命は魅力のない人だったのでしょうか。 まぁ、羽衣を盗んだ時点であかんわな(^^ゞ 九州の羽衣伝承は、「夫に乞われて、顔を見せに戻ってくる」という点で特 徴的だと思われます。 そしてもう一つ。 ここ乙女神社が天女の戻ってきた場所なのならば。 九州でも、「かさ」に関係の深い「水の女」を見つけました。