shigoto

金岡神社

kanaoka




  祭  神:底筒男命 中筒男命 表筒男命 素盞鳴命 大山咋命 巨勢金岡
  説  明:平成祭礼データには、
      「金岡神社由緒略記
       起源については記録の明らかなもの無きも伝説によれば光孝天皇仁
       和年間(今より一一00年前)居民安全年穀豊熟を祈らんためこれ
       を創立し住吉大神を祀りしが、のち素盞嗚命、大山咋命を配祀し更
       に一条院天皇の時に巨勢金岡卿を合祀し金岡神社と称することとな
       った。本社は全日本における画聖「巨勢金岡卿」を祀る唯一の神社
       で金岡卿はいうまでもなく日本画の大祖である。
       清和、陽成、宇田、醍醐の四朝に歴任し大納言に至り宮中に召され
       て障子、屏風等に画を描いた。伝説によると本社の所在地は金岡卿
       の隠棲の地であって神社の東方約三000米のところに金岡淵即ち
       金岡卿筆洗いの池というのがある。
       河内名所図絵にもこのことが載せられてあるが、察するに金岡卿は
       晩年致仕の後にこの地に隠棲して丹青を楽しみ風月を友としていた
       のであろう。巨勢氏糸図ならびに古今著聞集などによると卿の略伝
       があるが卿がこの神社の祭神として祀られたのは一条天皇のみ代に
       勅命によったものであることが明らかにせられている。この点から
       考えてくるとこの地が金岡卿と古い縁故のあった土地であることが
       疑われない。
       大正末期から当社では御祭神である巨勢金岡卿の神慮を慰めるため
       毎年五月三日午前十時から「画神祭」を行ない式後社務所で席上揮
       毫会を開催している。」
       とあります。
  住  所:大阪府堺市金岡町2866
  電話番号:072−258−2127
  ひとこと:この神社のお名前は、多分、間違いなく、「巨勢金岡卿」からとら
       れたんでしょう。
      「金岡町」という町の名前も、多分。

       しかし、この「巨勢金岡卿」なる人物の名前を、私は初めて聞きま
       した。

       どんな人物なのでしょう?

       例えば、「南総里見八犬伝」にも、この巨勢金岡の名前は登場する
       ようです。

       つまり、八つの文字のうち、「仁」であるところの、「親兵衛」は、
       武勲の誉れ高く、多分、ハンサム。
       男色家であるところの、官領・細川政元は、彼が安房に帰らないよ
       うに邪魔だてするわけです。

       困った親兵衛。
       そこに、届いたのが、巨勢金岡の書いた「目なしの虎」なわけなん
       です。
       巨勢金岡ほどの名人が描いた虎の絵。
       もらって嬉しいけれども、なぜか絵に眼が入ってない。

       不思議に思った政元が尋ねると、「金岡の描いた仁和寺の馬が夜な
       夜な絵を飛び出たからだ」という説明。

       そんなはずがあろうか、と、絵師に眼を入れさせたら、さぁ大変。
       虎は勢いよく飛び出して、絵師を噛み殺してしまったのでした。

       親兵衛は安房に帰ることを条件に、虎退治を引き受けたのでした。

       と、親兵衛が安房に帰る理由として、こんなある種の「怪奇譚」が
       挿入されているわけです。

       ちなみに、「仁」の文字であるところの、と書きましたが、これ、
       南総里見八犬伝を全く知らない人には意味不明ですね。

       つまり、この物語の発端に、犬の八房が、主人である伏姫に懸想す
       るというくだりがあるのです。

       そして、これは、いろんな物語に同じようなモチーフが見えるので
       すが、伏姫の父親・里美義実が、戯れに、八房に、
      「敵の大将の首を取ってくれば伏姫をお前にやる」と約束してしまう
       んですね。
       その時、義実は敵に包囲されていて、死を覚悟していたわけで、い
       ちかばちか、というか、やぶれかぶれ、な気持ちもあったんでしょ
       う。
       ここで、犬が、思いがけず敵の首を取ってくるまでは、他のほとん
       どの、物語と一緒なのですが、違うのは、義実が、八房との約束を
       守って、伏姫を八房の嫁にするところなんです。

       しかし、八房は、姫と結婚してからも、姫の読経の声に耳を傾ける
       だけで満足していたといいますから、これまた並の犬じゃありませ
       ん。
       つぅか、この八房、姫に恋してたというより、忠義心が強かっただ
       けなんじゃぁ???

       さて、ところが、そんな生活にも関わらず、ある日、伏姫は、八つ
       子を懐妊していることを、不思議な稚児に告げられるのでした。
       大変だぁ。

       どんな子供が生まれるんでしょう?
       その答えを出すのを、作者・馬琴はいやだったのかもしれません。
       姫は出産することなく、八房と共に、鉄砲の弾に倒れたのでした。

       姫はしばらくして蘇生。
       腕にしていた「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」
       の八つの玉の数珠は、四方八方へと飛び去ってしまいます。
       でも、姫はそんなことより、お腹の子供が気になります。
      「なんといっても私の子。でも、犬との間に出来た子ということにな
       るのかしらん?としたら、どうすれば・・・・・あれ?お腹、ひっ
       こんでる。中になんにも入ってない・・・。あぁよかった。これで
       清純なまま死ねる」
       そうやって、姫は亡くなりますが、功徳を積んだおかげで八房とも
       ども成仏したのでした。

       と、まぁ、冒頭から、この物語は、おどろおどろしい雰囲気に満ち
       溢れています。

       この八つの珠はこの先、重要で、珠の持ち主が、主人公となって、
       里見家を守り、最終的に、里見家の八人の娘を妻にして、めでたし、
       めでたし、とはなるんですが、なんにせよ、長編で、これ、原作を
       ちゃんと読む自信はありません。

       ので、間違ってるかも。
       だったら、すいませんm(__)m

       と、そういうわけで、前編になんともいえない呪術的な雰囲気のた
       だようこの物語(?)に、「呪物」として、この金岡卿の絵が登場
       するわけで、この絵師の名が、当時、どれだけ有名だったか、わか
       ろうというものです。

       しかし、眼を入れたら、絵に描いた動物が飛び出ちゃう、という話
       多いですよね。

      「画竜点睛」は、竜の絵に目を入れたら、竜が絵から飛び出て天に昇
       ってしまった・・・という話ですしね。

      「絵に描いた動物が絵から抜け出す」というモチーフは、その絵を描
       いた絵師を非常に称える意味があったのでしょう。

       そういえば、私も小学校・中学校のころ、授業中にお腹が空くと、
       ノートにケーキの絵を描き、食べる真似をして、空腹をごまかした
       もんでした。

       これで、お腹がふくらんだりしたら、私も天才絵師になってたかも
       しれない・・・かなぁ?      

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