祭 神:国常立神 高おかみ神 説 明:案内板には、 「国常立神 国土を治める神 高おかみ神 雨を司る龍神」 とあります。 住 所:奈良県橿原市南浦町 電話番号: ひとこと:香具山頂上にある神社です。 祠がふた〜つ。 左側が高おかみ神社で、右が国常立神社です。 ということは、高おかみ神社を、「国常立神社」として、紹介 してしまうのは、高おかみ神に失礼なのかも知れませんが、道 案内板にも、「国常立神社 コチラ」としてあったので、国常 立神社と一緒に紹介しちゃいます。 国常立神は日本書紀に出てくる神様で、一番初めに出現した神 様です。 ちなみに、古事記では、一番初めに出現した神様は、天御中主。 こちらのお名前の方がなぜか有名でしょう? ただし、日本書紀の一書(第四)には、こうあります。 「天地がはじめて分かれるときに、初めて一緒に生まれ出た神が あった。国常立尊という。次に国狭槌尊。また高天原においで になる神の名を天御中主尊というと。次に高皇産霊尊。次に神 皇産霊尊。」 国常立尊が高天原にある時、その名を「天御中主尊」と言うの か、全く別神なのか、ちと判断しづらい文章ですね。 でも、別神である。と読むほうが自然ですね。 大体、日本書紀と古事記は、共に、江戸時代の国学者に「是」 とされた書物なハズなのに、同じ神様を別の名前で呼んだりし て、とってもややこしいのです。 記紀と反対に江戸時代の国学者に「偽」と言われてしまったの が、先代旧事本紀ですが、こちらもまた、独自のお名前がでて 参ります。 とってもとってもややこしいのです。 ローマ神話の「ヴィーナス」が、ギリシャ神話では「アフロデ ィテ」と呼ばれることはご存知の方でも、日本書紀の「国常立 尊」が、古事記では、「天御中主尊」と呼ばれることは・・・。 ご存知ないんじゃないでしょうか? でも、もともと、自然を崇拝していたところに、自然に名前を つけ崇拝し始めたのが、神道だとしたら、神様がいろんなお名 前を持っているのはごくごく自然なことですね。 古代、日本は各地でいろんな別々の文化が発展してたでしょう から。 例えば、太陽を見て、 神道では「天照大神」。 仏教のどっかの一派では(詳しくないのでもにゃもにゃもにゃ) 「大日如来」 ギリシャ神話なら、「アポロ」。 ケルト神話ならば、「ソル」という女神らしいです。 ・・・・・へぇ、女神だ。 エジプト神話だったら、「アメン・ラー」。 太陽の神様は、世界各地で、そんなにたくさんいろんなお名前 を持っているわけですね。 そういう意味で、神様が別名をたくさんお持ちなのは、不思議 なことじゃないんですがねぇ。 それにしても。 よくよく考えると、例えば、太陽を神様として見る民族と、太 陽は神様が人間に与えた恵みの一つと見る民族がありますね。 まず、日本・ギリシャ・エジプトは、太陽自体を神様と見てい ます。 中国・北欧・マヤは、太陽は神様の創造物と見ているようです。 ケルトのソルという女神は、太陽を引っ張っている女神ですか ら、太陽そのものじゃないんですね。 でも、国常立尊のように、まずはじめに出現したのは、どの国 でもやはり最高の神様でしょ? そう思うでしょう? そう。日本神話では、国常立尊は特別な神様ですが、最高の神 様と考えられているかどうか、は、ちと疑問です。 天照大神がいらっしゃいますから。 ギリシャ神話は? ギリシャ神話で一番初めに生まれたのは、ガイア。 やはり、特別な神様ですが、ギリシャ神話の最高神はゼウスで すよね。 ケルト神話の場合、ユミールという巨人からすべてが生まれた ことになっていますが、これは、「邪悪なものを持っている」 神様であるということになっています。 最高神は、オーディンということになるのかなぁ? ちょっとわかんないです。 アミニズムの精神には、一番初めに生まれた神様を最も尊ぶと いう感覚がそぐわないのかもしれません。 物事は、「成熟していく」からでしょうか? なるほど。納得。 しかし、こんな言葉もあります。 「コピーはオリジナルに叶わない」 経験ないですか? わけもわからず、とりあえず作った作品を、次に同じように作 ろうとしても同じようなものは二度とできないなんてことが。 そんな風に考えれば、やはり一番初めに生まれた神様が一番尊 い、という考えも理解できるでしょう。 さてさて、そんなわけで、国常立神は、誰にも真似できない、 立派な神様だという結論がでました(?) お名前、覚えてくださいね(#^.^#)