祭 神:油日神 東相殿 罔象女神 西相殿 猿田彦神 説 明:境内案内板を転記します。 「御神徳 太古油日嶽ニ鎮リ坐シ 皇国鎮護ノ御霊徳赫奕トシテ朝野ノ崇敬格別ナリ 荒魂ハ無雙ノ勝軍神トシテ武門ノ尊崇ヲ鍾メ給ヒ 和魂ハ農耕ノ水神トシ テ神恩遠近ニ光被シ給フ 御創立 三代実録ニ 元慶元年十二月 陽成天皇丁卯朔三日己巳 授近江国正六位上油日神従五位下 ト 即チ千百年余年前既ニ国史現在ノ古社タリ」 住 所:滋賀県甲賀市甲賀町油日1042 電話番号:0748−88−2106 ひとこと:この、油日神は、太古に油日嶽に降り立ったということ以外、 どういう神様なのか、全く資料が見つかりませんでした〜〜〜(^^ゞ さて、ご由緒には、荒魂・和魂という言葉が出てきますね。 神道では、「荒魂(あらみたま)」「和魂(にぎみたま)」の他にも、「幸玉 (さきみたま)」「奇魂(くしみたま)」なんて言葉が出てきます。 この言葉、結構曖昧に記憶しているんですが、うちには「神道辞典」がないん ですよね〜。 ってことで、学研「日本の神々の辞典」を引っ張り出してきたら、ありました。 早速引用してみましょう。 「荒魂=上代日本人の神霊観で、神霊の活動の盛んな様子、もしくはその作用を 指す言葉」 「和魂=霊魂のおだやかで平安な働きをさす。荒魂と対比される」 「幸魂=『日本書紀』の神代上に、大己貴神がともに天下を治める者を求めたと ころ出現したのが、大己貴神の『幸魂奇魂』であった。その幸魂奇魂は 三諸山の宮を求め、大三輪神となったと記される。本居宣長は『古事記 伝』で、『幸あらする故の名なり』と解釈した。つまり神霊の働きによ り幸福となることを称えた名称である」 「奇魂=奇しは不思議・霊妙を指す語。不可思議で尊い力や働きがある神霊への 古代の観念を表現した言葉」 つまり、 「荒魂」と「和魂」は対比される神霊の働きのことで、 「幸魂」と「奇魂」は、神の霊の働きを称えて表現した言葉、 ということになるんですね。 よく「荒魂」と「祟り神」を混同していることがありますが、ここではっきり 覚えておきましょう。 「荒魂」とは、神霊の活動が盛んな状態もしくは作用。 で、「荒魂」は、軍神として現れることが多いかもしれません。 天照大神も、神功皇后が戦地に向う際、「荒魂」によって先導しておられます。 で、この油日神の荒魂については、「無双の軍神」なわけですが、 和魂は、「農耕の神」なんですね。 農耕の神、で、「油日(あぶらひ)」。 もしかしたら、 「アメフラシ」→「アフラシ」→「アフラヒ」→「アブラヒ」かなぁ? ただ、雨の神様・水の神様って、女性っぽいイメージがあります。 油日神社は、男性っぽいイメージの神社でした。 と、自分で言っておいてなんですが、 「男性っぽさ」「女性っぽさ」ってなんなんでしょうね? 自慢ではありませんが(というより、自慢になりませんが)、私は、若いころ から、よく、 「女を感じさせない」 と言われました。 まぁ、もっとストレートに言うなら、 「女らしくない」 ということなんでしょうが。 同時に、 「男前」 「男らしい」 とも言われましたので、女性的要素よりも、男性的要素を、たくさん持ってい たんでしょう。 まぁ、私のことは良いとして、それじゃ、「女性的要素」「男性的要素」とは、 具体的になんでしょう? フランス語・ドイツ語などの、ヨーロッパの言語には、「女性名詞」「男性名 詞」ってのがあります。 例えば、ドイツ語で「花」は、女性名詞でした。 それじゃ、花それぞれの名前は男性なのか女性なのか・・・と、今、辞書を探 してみましたが、見つかりません。 第二外国語としてドイツ語を選択してたんで、辞書は持ってたはずなんですが。 ・・・捨てたかなぁ??? ヨーロッパは、ギリシャ神話の影響を受けていると思いますので、(大体、ヨ ーロッパという名称も、ギリシャ神話で、エウロペを攫った牛が走った範囲を 指すくらいですから)神話によって、男性・女性名詞に分かれてる可能性はあ るかもしれません。 例えば、水仙は、ナルシスという美少年が、自分の美しい顔に惚れてしまい、 うっとりしてるうちに花になってしまった・・・という伝説がありますから、 (そう、ナルシストの語源は、このあほらしい神話です)多分、男性名詞。 アネモネは、ビーナスの恋人、アドニスが流した血の変化だから男性名詞。 ヒアシンスは、アポロの恋人、ヒュアキントスだから、男性名詞。 ・・・そうです。アポロの恋人って言っても、男性なんですよ〜。 アポロってば、ダフネという女性の精霊にストーカーしたあげく、ダフネに 嫌われまくって、しまいには月桂樹に変身されてたりもするわけで・・・。 つまり、両刀使いなんですねぇ。あ〜ら元気ねぇ。 えぇっと、それからそれから・・・あれ? ギリシャ神話では、花に化身するのは男性が多いんでしょうか? 今、女性が花になったという神話を思い出そうとしてみたのですが、 ヒマワリに化身したクリュティエくらいしか、浮かんできません。 彼女は、アポロに恋をし、太陽の昇り沈みだけを見詰め続け、そして花になっ てしまったんですね。 ギリシャでは、花は男性っぽいもの、と思われていたのかも、知れません?? ただ、面白いのは、同じものが、国によって男性名詞だったり女性名詞だった るすることです。 例えば、有名なのが、太陽と月です。 さぁ、皆さん、太陽は男性でしょうか、女性でしょうか? 日本人ならば、太陽を女性だ、と言う人も結構いらっしゃるでしょう。 天照大神は女神ですからね。 しかし、太陽を女性神とする国は、とても珍しいんです。 ギリシャ神話では、「ソル」という女神を太陽神とすることがありますが、有 名な太陽神は、アポロ。男性神ですよね? もちろん、一言でギリシャ神話と言っても地方地方で語り継がれた神話をまと め、統括していったものでしょうから、いろんな太陽神が出てくるはずですが、 それでも、やっぱり、一番知られているのは、アポロでしょう。 エジプトでは、アメン・ラー。 男神です。 ヨーロッパのほとんどの言語が、太陽は男性名詞だとしています。 しかし。 ドイツ語は違うんですよ〜。 ドイツ語では、太陽は女性名詞なんです。 そして、月は、太陽の反対。 日本では、月読命。男神。 ギリシャでは、アルテミス。女神。 エジプトでは、イシス。女神。 ほとんどのヨーロッパの国でも、女神としています。 そして、ドイツ語は、「月は男性じゃ」としています。 ちと面白い。 日本やドイツでは、女性が強いのか? ・・・いやいやいやいや。 そんなことはありませんよね。 それじゃ、なんで太陽が女性だという発想になるんでしょう? まぁ、日本の場合は、天照大神の神話を残そうとしたのが女帝であった、とい う事情も考えられますが・・・。 このことを、韓国人の友達に話すと、 「韓国でも、太陽が女神っていう話あるよ。」 とのこと。 兄妹が、天帝から、 「どちらかが太陽になり、どちらかが月になりなさい。」 と命じられ、 妹は、 「私、人間にじろじろ見られるの、やだわ。恥ずかしっ!」 と言って、太陽になった。 兄は、 「んじゃ、ボクは月になって、とっくり見てもらうさ。美しい僕をね♪」 と月になった。 という話しだそうです。 なるほど。太陽はまぶしくて、じっくり見られませんもんね。 こういう発想も面白い。 「女性的」「男性的」という分け方のほかにも、言葉の印象の違いを知る分け方 は、いろいろあります。 その一つに、「悲劇的」「喜劇的」というのがあります。 ・・・「それ、知ってる」 そうおっしゃる方も多いでしょう。 これ、太宰治の「人間失格」に登場するんです。 主人公は友人の堀木と、いくつかの単語を、「トラ(tragedy・悲劇的)」か、 「コメ(comedy・喜劇的)」かに、分類していくんです。 それを、「頗る気の利いた遊びだ」と信じて。 まぁ、そういう状態を、「トラ」というわけでしょうが(笑) ・・・いや、「コメ」かな(^^ゞ?? この言葉遊戯を、人が集まった時にやってみると面白いです。 結構、意見がバラけますよ。 「新学期」 という言葉に、「始まり」という、「コメ」的要素を見る人もいれば、「宿題 やってない・・・」という、「トラ(でも、他人から見るとコメだけど)」的 要素を見る人もいます。 「船」 これは、「別れの波止場」な〜んていう「トラ」的要素が強いようですが、豪 華客船での旅とそして、新しい恋♪・・・な〜んて、思いっきり「コメ」な発 想をする人もいます。 ほんと、バラけます。 3人以上の人間が集まれば、まず満場一致にはなりません。ホント。 が、私と仲間がこのゲームをしたところ、たった一つだけ、満場一致の単語が あったんです。 それは・・・。 「子牛」 ドナドナの影響って、でかいんですね〜〜〜。 「ある晴れた昼下がり 市場へ続く道 荷馬車がゴトゴト 子牛を連れて行く かわいい子牛 売られていくよ 悲しそうな瞳で 見ているよ ドナドナドナ ドナ 子牛を乗せて ドナドナドナ ドナ 荷馬車が揺れる」 ううう(T_T) まぁ、かように、「悲劇的」「喜劇的」にしても、「女性的」「男性的」にし ても、個人の主観の問題なわけです。 決定的に女性的なものも、決定的に男性的なものも、決定的に悲劇的なものも、 決定的に喜劇的なものもない!! と、この際、きっぱり言ってしまいましょう!! というわけで、どんな悲劇的な状況も、「それは主観!大笑いしてみれば喜劇 的!」と思ってしまえば、喜劇に思えてくるかもしれませんし・・・。 どんなに男性っぽいと言われ続けても、「それはその人の主観!」と思ってし まえば、ムカつきもしません。 笑ったもん勝ち。 ほんま、笑ったもん勝ちかもしれませんよ。 笑って、良い年を迎えましょう!! (この記事は、2005年1月3日にアップしました)