祭 神:天之御中主神 説 明:『日本の伝説22』から引用します 「仁淀川の本流が次第に下流に近づくところに、日高郡日高村能津という部落がある。その川沿いの同 同というところに、昔二階堂弥太夫という郷士が住んでいたという。『郷士と犬の糞』といわれたほ どに郷士の数は多かったものだが、弥太夫は近郷に知られた弓の達人で強弓をひくことで知られてい たという。 ある年、見なれぬ奇妙な星が空に現れ、同時に悪い病気が流行して死者が続出する状態となった。 加持祈祷だけでは、目の前でぱたぱた死んでいくのを助けることもできず、年の改まるのを待ちわび るような状態であった。弥太夫はこれを見なれぬ星のせいと考えて、ある夜その星を目がけて大弓を 引きしぼってひょうと射放した。とたん弓は折れたが、矢はうなりをあげて天空へ飛び去り、不思議 なことに星は大音響とともに地上に落下し、七日七夜怪しい光を放ったままであった。その後弥太夫 は原因不明の熱病におかされて死んだという。村人たちは弥太夫の死を星を射落としたせいと信じ、 星を祭って『星の御子さま』とよんで祭りをつづけていて、この地を星の向コウというようになった という。現在同堂と赤奴田という二つの部落の人たちで、一年一度の祭りをつづけている」 住 所:高知市春野町森山 電話番号: ひとこと:高知には、とにかく星神社が多いんです。 この神社はそのうちの一つ。 それは多分、室戸岬の御厨人窟で、空海が開眼したことと関係があるのかなと思うのですが、私が気 になったのが、引用した伝説です。 奇妙な星と言われたら、ほうき星を連想しますが……。 個人的には、弥太夫は清め祓いの達人だったのではないかという気がします。 村を襲った流行病を鎮めるために命をかけた人ではないのか、と。 この伝説の舞台となった大同と赤奴田という地名は、現在残っていません。 でも、同堂・赤汢と呼ばれる場所があります。 赤汢は「あかぬた」と読むようなので、ここでしょうね。 「鴨池」の中にある土地みたいですが、「星の向コウ」と呼ばれていた名残は見つけられませんでした。 同堂・赤汢に行ってみたかったのですが、実際にそば現地のそばまで行ってみたところ、「隔絶され た場所」と表現したいような場所でした。 清宝山の斜面にあたる場所なので、麓から近づこうとすると、仁淀川が阻みます。 なのに橋が一本しかなくてね……。 時間の関係もあり、今回は諦めました。 次には絶対!!