祭 神:素盞鳴尊(河内神と同じ) 説 明:案内板などが一切なかったので、和歌山県神社庁の説明を転記させていただきます。 「例祭は7月25日である。 鯨舟を象りたる(一説には軍船を象るとあり)御船三艘美々しく飾りて、船謠を歌いながら古座川 町の宇津木なる清暑島に達し、翌御祭日当日は、神籬神官上臈(3名小学校1・2年生)を乗せた当 舟(頭舟)を先頭に参拝者屋形船に群をなして遡上し、川原(古田側)なる拝所より拝礼を行う。 御祭礼は、神官祝詞奏上の間、御船が謠を謠いながら島を3周、あと奉幣行事終って獅子舞、伝馬 戦合がある。 午後に入って御船〝花周り〟のあと、御船・当舟を先頭に参拝者の船続々帰途につく、御参礼の盛 大なる事当地方にその比をみず云云と、昭和7年刊の『郷土誌』にある。 大昔より崇敬され島を御神体として、島上に上ることは許されなかったという。 素盞鳴の命を祀る。 源平時代源氏方水軍に加わり戦功をたてた、その戦勝報告祭が御船の由来と伝わる。 尚この祭で重要な役割をするものに上臈がある。 これは男2名女1名(小学校1・2年生くらい)が神社にこもる。 神社から外へは出ないことになっているが、伝馬競争などを見るため出る場合は土を踏んではいけ ないことになっているので、負われて見て神社に戻る。 祭典の日は当舟でのぼる。 橋があれば陸にあげ、勇進会員が負って橋をすぎてから船にのる。 古座橋、鉄橋、河内橋と3つの橋はこのように橋の下を通らないことになっている。 上臈座は祝詞座の南西にあり、南向に女子をまん中にして幣をもって坐る(座席の上に)。 この幣は奉幣の時に古座区民の幣として高池下部、古田、宇津木、月の瀬の幣と共に奉幣する。 帰りも御船につづき当舟で神官と共に帰る。」 住 所:和歌山県東牟婁郡古座川町宇津木171番地 電話番号: ひとこと:河内とかいて「かうち」あるいは「こうち」と読むそうです。 祠はない……とのことで、川岸に遥拝所があるんですが、和歌山県神社庁の説明にある「神社から 外へは出ない」の説明は、どの神社のこと? 古座神社かな? この神社の神は「河内神」と呼ばれる通り、川の神様でしょう。 現在では素戔嗚尊と同一視されているとのことですから、治水の神様と考えられてきたのかもしれ ません。 ここから古座川を遡ると一枚岩があります。 ……正直、あんなにデカイとは思ってなかった(^^ゞ そしてこの岩には、不思議な伝説が残されているんです。 一枚岩の前にある案内板によれば、 「一枚岩の守り犬伝説 昔、岩が好物の魔物が岩を食い荒らしながら古座川を遡っていきました。いよいよ一枚岩を食べよう と噛み付いた時、里に住む両県が襲いかかって化け物を追い払い、一枚岩だけは穴だらけにならずに 残りました。 4月19日前後と8月25日前後の数日間、夕日を受けて『守り犬』の影が一枚岩に浮かび上がります」 とのこと。 この化け物は太地からやってきたと説明されている場合もあります。 この付近には「虫喰い岩」と呼ばれる穴だらけの岩もあり、それがこの「岩を食らう魔物」への連想 につながったのでしょうね。 そして守り犬の影については、近年まで誰も知らなかったとか。 最近になって、誰かが偶然犬の影を見つけ、「あの伝説は、この影に発想を得たものではないか」と 思い当ったのだそうです。 このあたり、面白いですよね。 影についてはいつしか語られなくなったというのが。 私がこの岩を訪れたのは5月1日でしたが、犬らしき姿は認められました。 4月19日前後には見られないしっぽのようなものも見れて、満足です(笑) この守り犬伝説と、河内神社の神様に関係があるのかないのかはわかりません。 ただ、守り犬が追い払った化け物が太地から来たのだとしたら、河内神もその化け物を防いだ神なの かもしれません。