祭 神:矢奈比売命 菅原道真公 説 明:境内案内板から引用します 「延喜式内社・ 国史現在社として磐田の里々をはじめ京の都にも名が知られ、崇敬されていた。 相殿の御祭神(菅原道真公)は、一条天皇の正暦四年(993)に筑前国の大宰府天満宮より勧請さ れる。慶長八年(1603)徳川家康公より神領五十石を寄進される。 明治六年社格が県社に列せられる」 住 所:静岡県磐田市見付1114−2 電話番号: ひとこと:この神社を有名にしているのは、境内にある末社・霊犬神社の存在でしょう。 そのご由緒をまず、引用しますね。 「当神社には、人身御供の伝説が残されております。 正和年中(約七百年前)、現在の駒ケ根市光前寺より、悉平太郎という名犬を借り受けて怪物を退治 し、人身御供という悲しいならわしを断ち切り、平和な見付の待ちにもどしたというものです。その 謝恩のために当社社僧が奉納した大般若経は、現在寺宝として光前寺に保存され、磐田市と駒ケ根市 友好都市のきずなとなっております。 霊犬神社は、犬を祀った日本唯一の神社として、近年はペット愛好家の方々に深く崇敬されておりま す」 つまり、この神社は、悉平太郎伝承の舞台なわけです。 これだけではよく伝わらないかもしれませんから、一般的に流布している悉平太郎の物語を簡単に説 明しておきましょうね。 見付天神では、毎年人身御供を神に差し出す習慣がありました。 その時期になると、どこからともなく白羽の矢が飛んできて、どこかの家の屋根に刺さります。 するとその家から一人、娘を人身御供に出さねば田畑が荒らされてしまうんですね。 ある時、旅の僧が人身御供がどうなるかをジッと見ていると、異形の者たちが現れて、 「あのことこのこと知らせるな。しっぺい太郎にしらせるな」 と歌うのを聞きます。 そこで僧はしっぺい太郎を探し求めるんですね。 そしてしっぺい太郎が犬であるとわかると、飼い主から借り受け、その年の人身御供の身代わりとな ります。 しっぺい太郎は化け物相手に善戦し、ついにはこれを倒しました。 その正体は、大きな狒々だったとか。 こうして人身御供の習慣は止ったのです。 信州では、このしっぺい太郎を「早太郎」として伝えています。 また、「どこに人身御供を差し出していたのですか?」と尋ねたところ、元天神だと伝わっていると のこと。 元天神にある説明を引用しますね。 「昔はもの地に矢奈比賣神社(見付天神)が鎮座されていたと伝えられています。そのことからこのお 身やを通称『元天神』とお呼びしています。また、元天神町という町名もこれに由来するものです。 この地から現在の矢奈比賣神社(住吉町)へ御遷座されたのは、いつの時代か分かってはおりません。 この神社の祭典は矢奈比賣神社の例大祭(九月)の直前の日曜日に、昔からの慣例により矢奈比賣神 社の宮司が榊の芯枝に木綿を取垂でて納め、厳粛に執り行われます。これを『祭事始』といい、天下 の奇祭といわれる『見付天神裸祭』の最初の神事であります。 以前はこの境内にも多くの木々が茂って森となり、『祭事始』の夜に行われる『御斯葉おろし』の榊 は、すべてこの地から切り出すことになっておりましたが、現在は行われておりません」 例大祭は「裸祭」として知られており、「鬼踊」と呼ばれる踊りが奉納されるようですが、いつ、ど んなきっかけから始まったのかについて、説明はありませんでした。 狒々を模して……とかね。 ないか(^^ゞ