伝 説:送り狼というと、恐ろしいモノのように思われるかもしれませんが、 一度恩義を受けるとそれを忘れないという、情に篤いところもあっ たようです。 実際、食べ物を分けてもらってから、夜道では必ず人間を送り届け てくれるような優しい狼もいたと言います。 しかし、多くの「送り狼」は、夜道を歩く人間を見つけると音もな く忍び寄り、襲いかかる恐ろしい獣と考えられていました。 その先触れをするのが、「送り雀」。 夜道を歩いていて、「チチチチ」という鳴き声を聞いたら、決して ころんではいけません。 送り雀がいるならば、必ずどこかに狼がいるはず。 転んだ途端に襲われてしまうでしょう。 送り雀の別の名を「赤っちょ」「蒿雀(あおじ)」と言います。 「赤っちょ」とはホオジロのことだそうですが、鳴き声はこの「青鵐」 に似ていたようです。 蛇 足:雀ほどの大きさですが、割合とひとなつこく、そばに寄っても逃げ ない子もいます。 ただ、色合いが地味なので、遠くからでは雀と見分けがつかないこ とも(^^ゞ 一羽みかけると、二羽、三羽とそばにいることが多いです。 留鳥なので、夏にも見かけられるはずですが、私は冬しか見たこと がありません。 参考文献等: 情報提供者:「東吉野の民話」 吉野村教育委員会 発行