伝 説:翡翠とは、雄雌のカワセミのことを指す単語です。 鴛鴦や麒麟、鳳凰などと同じですね。 つまり「翡」は雄のカワセミのことで、「翠」は雌のカワセミのこ とを指すようです。 そして、三省堂の「漢辞海」によれば、 「翡」について、「鳥名 かわせみ」と説明され、なりたちについて は、「赤い羽毛の雀。鬱林郡に生息する」とあります。 「翠」については、「鳥名。カワセミ科の小鳥。くちばしは最長で、 羽毛は美しい青緑色を呈する。かわせみ」とあり、同じくなりたち について、「青い羽毛の雀。鬱林郡に生息する」と書かれています。 鬱林郡とは三国志に登場する地名ですから、この赤と青の雀も、そ の時代に書かれた書物……もしくは三国志そのものに登場するのか もしれません。 そしてそうならば、架空の鳥である可能性も。 しかし、その「美しい雀」を、「カワセミ」と人は呼んだのですね。 カワセミも、雀と大きさはあまり違いません。 クチバシが大きいので、なんだかでかく見えますが(^^ゞ ですから、鬱林郡の「翡」「翠」の正体は、現代のカワセミだった かもしれません。 宝石の「翡翠」は、不老不死の力が籠っているとされており、貴族に は珍重されました。 それは日本や中国だけのことではなく、メキシコのパレンケ遺跡でも、 翡翠の仮面をかぶった遺体が発掘されました。 もちろん、「翡翠」の名を名乗ったのは鳥の方が先です。 この鳥にも、何か不思議な力があると信じられていたのかもしれませ んね。 蛇 足:憧れの鳥なのですが……。 警戒心が強いため、接近すると逃げられちゃって、なかなかよくは撮 れません。 でも、遠くから見ても、その青く輝く羽根は、「あ、カワセミだ」と 気づかせてくれます。 本当に、夢のように綺麗な鳥。 水辺へ行かれたときは、探してみてください。 この鳥は雄も雌も綺麗な羽根の色ですが、雌は下のくちばしが赤いこ とから、「口紅」なんて呼ばれてて可愛いんです(#^.^#) 参考文献等: 情報提供者: