百舌(もず)

amenoiwatowake

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  伝   説:昔、仁徳天皇が石津原を御幸されていたとき、一行の前に鹿が表れ、ふ
        ふらとしたと思うと、倒れてしまいました。

        不思議に思って鹿の死体を調べると、耳の中から百舌鳥が出てきました。
        そして鹿の脳は、無残にも食い荒らされていたのです。
        このことから、その土地は、「百舌鳥耳原」と呼ばれるようになりまし
        た。

  蛇   足:なんだか、不気味な物語です。
        百舌は気の荒いところもあり、雀なども捕食すると言いますが、自分よ
        りもずっと大きな鹿の脳みそを食い荒らすなんてことが本当にあるので
        しょうか?

        百舌も鹿も何かの比喩であると考えるのが妥当でしょうね。

        確かに、百舌鳥のクチバシは尖っていて、眼の周りの黒い線が、ちょっ
        とキツい表情に見せるところがあります。

        だけど、そののどかな色合いはなんとも上品で優しげでさえあります。

        野生で生きる鳥たちの、生きるための必死さを、「気が荒い」などと表
        現するのは酷ですよね。

        百舌の名前は、さえずりのヴァリエーションが豊富なことによります。
        決して嘘付きなわけじゃないんですよ。
        

  参考文献等:日本書紀
  情報提供者:       



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