伝 説:天の神様にはたくさんの子供がいました。 雀やひばり、カラス、ツバメヤキツツキ、空を飛ぶ鳥はすべて、神様の 子どもでした。 ある日、神様は重い病にかかり、床に伏してしまいました。 その知らせを聞いた鳥たちは大騒ぎ。 でも、その日はちょうど、鳥たちの衣装を新調する日だったんです。 布を選んで、色を染めて、新しい衣装に着替えて、綺麗に生まれ変わる はずの日でした。 「服なんてどうでも構わない。親神様が心配」 そう言って、一番にかけつけたのは雀でした。 彼女の衣装は染めている暇がなかったので真白のまま。作りも平凡でし た。 それどころか、あまり慌てたので、真白だった衣装は泥だらけ。 反対に、最後まで色を悩み、丁寧に染め上げてからやってきたのが、キ ツツキでした。 親神様はたくさんの鳥をじっと見つめました。 そして、雀に言いました。 「あなたは本当に優しい子。その気持ちに感じたので、あなたは米を食べ てもいいわ」 キツツキにはこう言いました。 「あなたはおシャレさんだけど、自分勝手ね。だから虫を食べてなさい」 だから、雀はお米などの穀物を食べることを許され、キツツキは必死で 木の幹をつついて、虫を食べなくてはいけなくなったのでした。 蛇 足:この物語は、あちらこちらで見かけます。 最近、ちくま文庫の「アイヌの昔話」を見たら、そっくり同曲の伝説が アイヌにもあることを知って、ちょっとびっくり。 作者は、「縄文系の物語だ」と書いておられましたが、実際のところ、 日本以外の国にも同じ話があるんでしょうか? ちなみに、ここでは、「オシャレだけど自分勝手」な鳥を、キツツキと して紹介しましたが、 キツツキではなくツバメだとする伝承もあります。 でも、ツバメの羽根って、たしかによく見たら綺麗だけど、パッと見て 「きゃぁ、綺麗♪」 と叫びたくなるほどではないんで、キツツキということで紹介しました。 さて、我が家のベランダには、雀が来ておりました。 理由は単純で、我が家の文鳥が食べ残した餌を、ベランダのプランター に撒いていたからであります。 「腐ったら肥料になるやろ」 と思ってましたが、腐る前に、実部分はすべて雀さんたちに食われてし まいました。 しかし、きゃつら豹変しよるんですわ。 晩夏〜中冬あたりは、なんてこともありません。 ただの可愛い小鳥です。 ところが、晩冬ともなると、化けるんですね。 「超ド厚かましい鳥」 に。 いやまぁ、鳥も繁殖しよるわけで、妊娠中の雌鳥は腹が減るんだと思いま すわ。 春になると雛が生まれるから、子どもにご飯をやらねばならんってのも、 よぉ〜くわかります。 しかし……。 窓ガラスを蹴るとは、おどりゃ、どういう了見じゃ!!!!!!! はじめは何かと思ったんですよ。 窓ガラスに、 「バシッ!」 「タシッツ!」 と、ちいさくて可愛い音がするんで、何かと。 雀が蹴ってるとは、まさかね。まさか思わなんだです(^^ゞ どうやら、 「もう、餌がなくなったよ〜」 というてるらしいんですよね(^^ゞ しかしまぁ、「危険動物」である人間に対して、そこまでさせるのは、親の 愛ってやつでしょうか。 どうやら、雀ってのは、親子の情愛深い鳥なのかもしれません。 参考文献等: 情報提供者: