虎鶇(とらつぐみ)

toratsugumi


toratsugumi




  伝   説:「鵺の鳴く夜は恐ろしい」
        とは、某角川映画のキャッチコピーですが(笑)
        
        この映画の中でイメージされる「鵺」は、「源平盛衰記」や、「平
        家物語」の中で、源頼政に退治される化け物のことでしょう。
        
        すなわち、顔は猿、胴体は狸、手足は狸、尾っぽは蛇というキマイ
        ラです。
        
        この妖怪、一見まったく統一感のない姿に思えますが、実はすべて、
       「製鉄」に関係が深いという話もあります。
       
        例えば、狸の皮は、製鉄に使われる鞴に加工されるってご存知でし
        たか?
        狸の置物で有名な信楽には、鞴をかたどった看板などが見られます。
        
        しかし、本来、「鵺」は、夜に鳴く鳥を意味する言葉だったとか。
        
        万葉集第十巻、2035には、
        
       「よしゑやし直ならずともぬえ鳥の うら泣き居りと、告げむ子もがも」
        
        という、柿本人麻呂の歌が収録されています。
        
       「たとえ直接会うことができなくても、私がさびしくて泣いているこ
        とをあの人に告げてくれる子がいてくれたら良いのに」
        
        切ない恋心を詠んだ歌のようです。
        
        つまり、「鵺鳥」は、淋しく泣くことの枕ことばなのだとか。
        
        この鳥のしっかりした雰囲気は、「淋しい」という気持ちを引き起
        こすものではありません。
        
       「孤高」
        
        この鳥にはそんな言葉が一番似合うように思います。
        
  蛇   足:ツグミはどこででも見かけますが、トラツグミに遭遇するのは、よ
        ほどラッキーでないと無理です。
        
        ときおり見かけるのは、日影の暗い場所です。
        
        また見つけたと思っても、すぐ木陰に隠れてしまうんですよね〜。
        
        一番確実なのは、水場に水を飲みに来るのを待ち伏せする方法でし
        ょうか。
        
        姿を見つけたらテンションの上がる鳥です。
  参考文献等:
  情報提供者:



home 野山のトップに戻ります back