梔子(くちなし)
花 言 葉:清潔
伝 説:この花の香りを、好きか嫌いかは大きく分かれそうな気がします。
妖艶で、濃密。
むせかえるようなその香りは、私には、どうにも鈍重に感じてしまいま
す。
「くちなし」の名の由来は、さまざまな説があるようです。
もっとも有名なのは、その果実が熟しても割れないことから、「口がな
い」と表現されたというもの。
蛇、つまり口縄(くちなわ)の食べる「梨」という意味だという話もあ
りますが、この樹と蛇の取り合わせは、あまりにも突拍子がない気もし
ます。
そして、果実に放射状の突起がついていることから、「クチハシ」転じ
て「クチナシ」となったというものも。
なんにせよ、薫り高い花よりも果実に名の由来があると考えられている
のが興味深くはないでしょうか。
果実は黄色の染料にも使われています。
蛇 足:清潔の花言葉、私にはどうも納得しかねます。
夏の頃、クチナシの花芯をのぞき込んでみてください。
粘液を出すめしべの真ん中に、香りに誘われた小さなはね虫が捕らわれ
の身となってうごめいているのを発見するかと思います。
しかしそれでもなお、白く人の気を惹く花。
うとましいとさえ思い、でもその香りには心をときめかせてしまうので
す。
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