葛(くず)
花 言 葉:治癒
伝 説:安倍保名に命を助けられた葛の葉キツネは、美しい女性に化けて保名の
妻となります。
そして生まれたのが晴明。
有名な陰陽師です。
ところが、ある日、葛の葉は尻尾を出しているところを息子に見られて
しまいます。
「正体を知られてしまっては、もうここにはいられない」
山へ帰る前、彼女は一句残しました。
恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉
蛇 足:葛の葉キツネの詠んだ歌にある「うらみ」は、葛の別名である、
「裏見草」に由来していると思われます。
風に翻り、葉の裏を見せる葛は、「裏見草」と呼ばれますが、そ
の音が「恨み」に通じるんですね。
ただ、古語の恨みは現代とは少しばかり意味合いが違ってくるよ
うで、「残念な思い」を表してるのかな???
葛と藤で「葛藤」。
支柱を伝い、高所で花を咲かせるところや、紫色の美しい花房を
持つところ、蔦がうねっているところなど、共通点が多いです。
また、西国三十三か所第五番札所の「ふじいでら」は、「葛井寺」
と書いて、「ふじいでら」と読ませます。
葛と藤が同一視された時代があったのかもしれません。
参考文献等:蘆屋道満大内鑑
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