花 言 葉:もの思い 私のことも考えてください 伝 説:オベロンは妖精の王様でしたが、お妃であるタイターニアと、小さな取 り替え子の所有を巡って喧嘩の最中でした。 取り替え子というのは、妖精が人間の子をさらって、その代わりに妖精 や木の幹などを置いてくることを指します。 つまり、彼らは、人間の子を取り合って喧嘩をしていたわけです。 そして、目下所有権はタイターニアにありました。 おもしろくないオベロンは、タイターニアにいたずらをしようと思いつ きます。 ロバの頭をのせたヒョウキンな男と恋に落ちさせようとするんです。 そのために、彼はまずお気に入りのいたずら妖精・パックをお使いにや ります。 「パック。紫色のパンジーの花をとってきておくれ」 そして、眠っている女王と……そして、彼を恋する優しい娘に冷たい態 度をとりつづけていた若者のまぶたに、その花の汁を塗りました。 そして、彼らが目を覚ましたとき、目の前にいた者は、彼らの熱烈な愛 を受けたのでした。 蛇 足:つまり、(紫の?)パンジーの花の汁は、ほれ薬なんですね。 パンジーの名は、フランス語がその語源です。 フランス語でパンジーを、「パンセ(pensee)」。 「パンセ」という言葉は、「もの思い」の意味も持ちます。 物思いは、人を恋におぼれさせる力を持つのでしょうか? 参考文献等:シェイクスピア「真夏の夜の夢」 情報提供者: