花 言 葉:私は苦痛をやわらげる あなたがいるので私は幸せです 伝 説:身近な花。 でも、「天上の花」でもある蓮の名をいただいた美しい花。 ギリシャ神話では、ドリュオペという少女が、この花に変じてしまった と伝えています。 実は、彼女が摘んだレンゲソウは、ニンフがしつこい男から逃れるため に身を変えていたものだったので、その呪いによって、ドリュオペもま た、レンゲソウに変えられてしまったのでした。 彼女は、 「花はすべて、ニンフの姿を変えたもの。どうかもう摘まないで」 と訴えたのだとか。 レンゲソウは、ついつい手折りたくなる花なのかもしれません。 そういえば、こんな俳句がありますね。 「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」 これは、遊女を身受けしようとした友人をとめようと、滝野瓢水という 商人が詠んだ歌だそうですが……。 この友人は、それで翻意したのでしょうか。 この歌を思いやりある友への言葉ととるか、無粋ととるか。 それは、その人それぞれ。 状況次第で、大きく変わるような気がします。 蛇 足:子どもの頃、この花で花束をいくつも作りました。 幸い、ニンフの化けたレンゲを摘むことはなく、今もこうやって元気で 人間をやっていますが……。 花を最初に美しいと意識したのは、この花だったような気がします。 子どもの頃、この花びらを一枚ちぎって口に含むと、ほんのり甘い蜜の 味がしたものですが、今、試しに同じことをやっていても、味を感じる ことができません。 昔のレンゲと種類がちがうのか、それとも大人になって感覚が鈍ってし まったのか……。 ノスタルジーにひたってしまう花ではあります。 参考文献等: 情報提供者: