花 言 葉:教養 美人 伝 説:木花開耶(このはなさくや)姫は大変美しい少女で、天照大神の孫であ る瓊々杵尊(ににぎのみこと)は、一目みた途端に恋をしてしまいまし た。 尊のプロポーズを受けて、木花開耶姫と一緒に腰入れしたのは、姉の磐 長姫でした。 しかし、磐長姫はその名のごとく、磐のような不美人だったため、親元 に返されてしまいます。 人間の寿命が花のように短いのは、このためだと言います。 木花開耶姫は瓊々杵尊の妻となって一晩で妊娠しました。 しかしそのことで、「私の子どもではないのではないか」と、夫に疑わ れてしまいます。 そのことを恨んだ姫は、「では私は火の中で出産しましょう。もし尊の 子どもでないならば私と赤子は火の中で死んでしまうでしょう。しかし もし尊の子ならば無事に生まれるでしょう」と言い残して産屋に入り、 火を放ちました。 そして生まれたのが後に山幸彦・海幸彦と呼ばれる火酢芹(ほすせり) 命と火日出見(ほほでみ)命。 母譲りの気高さを受け継いだ兄弟だったのでした。 蛇 足:桜の花は、木花開耶姫に深く関連づけられた花です。 そして古来、この花には、「鎮魂」の意味があったと言われます。 春になると、山肌に白い花がぽかりと浮かんでいるのが見かけられま す。 それはたぶん、山桜。 この樹がどの山にも見受けられるのは、先祖の墓標代わりに植えられ たからだとも言います。 ほのかに色づいた白い花。 満開の桜をじっと見つめていると、誰かの面影が浮かんできそうで……。 ぞっとして、眼を伏せてしまうのです。 参考文献等:日本書紀 古事記 情報提供者: