花 言 葉:誇り 伝 説:小デュマの「椿姫」は、美しくてたおやかな女性ですが、日本において 椿の花は、和歌に詠まれる「美しい花」としての存在とは別の顔もある ようです。 「木心棒」という妖怪がいます。 これは、いわゆる「つくもがみ」のような妖怪だと思うのですが……。 つまり、椿の木を使ってすりこぎを作ると、必ず妖怪化すると考えられ ていたようなんですね。 なぜかはわかりませんが(^^ゞ ただ、古い椿には、精が宿ると考えられていたのは間違いないようです。 鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」には、「古山茶(ふるつばき)の霊」と いう妖怪が紹介されています。 それによれば、「ふる山茶の精、怪しき形と化して、人をたぶらかす事 ありとぞ。すべて古木を妖をなす事多し」と、とくに椿に限ったもので はなく、古木であれば妖をなす可能性はあるようなのですが……。 椿の花は、根元からポロリと落ちるから、「首が落ちる」と武士には嫌 われたとも言います。 その「潔さ」が、人の心に、何か怪しい思いを起こさせたのかも、しれ ません。 蛇 足:おしべを抱えるようにして咲く椿の花。 優しげな花だと思うのですが、私は花よりも葉が好きだったりします。 雪を乗せてもちぃとも騒がず、どっしりとした照り葉が、私はとても好 ましいように思えるのです。 参考文献等: 情報提供者: