花 言 葉:名声が高い (赤) 愛の告白 (白) かなわぬ恋 (黄) むなしい恋 伝 説:オランダのある村に、チューリップという名前の可愛らしい少女がいま した。 彼女は容姿だけでなく、その心もまた愛らしく清らかだったため、多く の若者が彼女に恋をしました。 その中でも特に熱心だったのが、領主の息子と、若い騎士、そして豪農 の息子でした。 領主の息子は、「結婚してくれたら王冠をあげる」と約束し、 騎士は、「私の命でもある剣をあげる」と言いました。 そして豪農の息子は、「私の全財産を金塊にしてあげる」と。 チューリップは本当に純真可憐な乙女で、まだ恋を知りませんでした。 だから、なんのためらいもなく、三人の求婚をすべて受け入れてしまっ たのです。 でも、男性たちはそんなことを知りません。 彼女が三人の求婚を受け入れたと知って、「だまされた」と思ってしま ったのでした。 そして、チューリップは、彼女を恋する三人の男の手で殺されました。 すべてを見ていた花の女神・フローラは、チューリップの死を大変悲し みました。 そしてその遺体を一輪の花に変えたのです。 その花は王冠の姿に似、葉は剣を持つかのように鋭く、そしてその地下 には金塊のような地下茎を持ちました。 それがチューリップ。オランダを象徴する花です。 蛇 足:現在伝わる伝説は、チューリップは殺されたのではなく、誰を選ぶこと もできずに、フローラに「花に変えてくれ」と頼んだことになっている ものが多いようです。 でも、私が読んだ本では、「殺された」とあったので、そちらをとりま した。 何も考えずに、三人の求婚を受け入れてしまう、無垢な少女の方が、誰 を選ぶこともできないとする大人しやかな少女よりも、チューリップら しいような気がするからです。 本当に可愛らしい花なのですが……生け花にするとき困るんですよね。 くるくるくるくる花の向きを変えるもんで、毎日活け直さなきゃなんな いんですもん(^^ゞ 参考文献等:オランダの伝説 情報提供者: