花 言 葉:私を忘れないで 伝 説:明日に結婚式を控えたルドルフとベルタは幸せの絶頂の中、川のほとり。 を歩いていました。 ベルタがふと川辺に目をやると、青い可愛らしい花が咲いています。 「可愛い花ね。でもあの花もいつかはしぼんでしまうんでしょう。そして 私もいつか年老いてしまうわ。そうしたら私のこと嫌いになって?」 「馬鹿なことを言わないでおくれ。僕の愛は永遠なのだから。その証拠に あの花を君にプレゼントするよ」 ベルタが止めるのも聞かず、ルドルフは水際に手を伸ばしました。 でも、なかなか花には届きません。 それほどに、川面ギリギリにその花は咲いていたのです。 ルドルフにとって、この花は自分の愛の証そのものでした。 ですから、どうしても、どうしてもベルタのために摘んでやりたかった のです。 でも、それはかないませんでした。 花に手が届いたと思った瞬間、彼は川の中に投げ出されていたのです。 「僕のことを忘れないで」 その言葉とともに、ベルタに投げられた青い花。 その花の名を、いつしか人は、「foeget me not」……「忘れな草」と呼 んだのです。 蛇 足:この物語は、私の手持ちの本には、「イギリスの伝説」とありますが、 インターネットで検索する限りは、ドイツの伝説みたいですね。 ドイツの詩人であるプラーテンもこの物語を詩に詠んでいるのだとか。 確かに、ルドルフもベルタもイギリスの名前っぽくない(^^ゞ 「私を忘れないで」 なんだかとても切ない花言葉ですよね。 花言葉は、愛する人に、心思う人にひそやかにメッセージを贈るための ものであるのでしょうが……。 この花を誰に贈りますか? 私は転校するとき、友達にこの花を贈ろうとして、いろいろな花屋さん を周りましたが、季節はずれだったらしく(7月でした)、どこにも見つ けることができませんでした(^^ゞ 参考文献等:西欧の伝説 情報提供者: