物語の分布 :全国 登場人物名(物語名):少女=瓜子姫 少女=瓜姫(新潟県の伝説) モデルとなった人物等: 同じテーマの世界神話: 物語の骨子:おじいさんとおばあさんが二人で暮らしている。 ある日、川から大きな瓜を拾って帰ってくると、そこから、かわいい女 の子が生まれる。 女の子は機織が上手で、美しい少女に育った。 あるひおじいさんとおばあさんが留守の時、少女のところに天邪鬼がや ってきて、「指一本分だけ開けて」と言う。 そうやって、どんどん開きを大きくしていき、ついには天邪鬼が少女の ところへ入ってくる。 ************* 結末はいろいろなパターンがあるようです。 ★新潟県古志郡 天邪鬼が少女に乗り移って、何食わぬ顔で機を織っているところに、お じいさんとおばあさんが帰ってくる。 お土産の「ところ芋」をひげもむしらずばりばり食べてしまうので、お じいさんとおばあさんはびっくり。 小鳥が、 「瓜姫の機に天邪鬼がのったいよ 若衆おうてくりゃれ、ほーほー」 と鳴いたので、天邪鬼が少女に乗り移ったことが露見する。 天邪鬼は逃げようとしてつまづいて倒れ、体を強打する。 少女の体から黒い鳥が飛んでいく。 少女の亡骸は、瓢箪に変った。 ★石見 天邪鬼は、少女を木に縛りつけて、自分は少女の格好をして、機を織っ ている。 少女が輿入れすることになって、少女に化けた天邪鬼が、籠に乗ってい くと、木の上から少女が 「わが乗りていくいのに、アマンジャクこそ乗りて行くかや、ピーロロロ」 と泣いたのでことが露見する。 少女は助けられ、天邪鬼は殺された。 蛇 足:子供の頃、この話を始めて聞いた時、 「瓜から生まれる」=「桃太郎の真似」 「留守中に闖入者」=「七匹の仔ヤギの真似」 と思った覚えがあります(^^ゞ ここで気になるのは、この少女が「機織」をしていることなんですね。 そして、「絶対に天邪鬼を入れてはいけない」こと・・・。 つまり、天岩戸事件のひきがねとなった、スサノオによる、「ワカヒメ 殺害事件」を思い出させませんか? この物語に関しては、個人的に、諸星大二郎氏の「川上よりきたりて」 をお奨めします(^^ゞ 漫画なんで、読みやすいですよ〜〜。 参考文献等:岩波文庫「日本の昔ばなし(T)」 集英社「川上よりきたりて」諸星大二郎 情報提供者: