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淡島神社

awashima

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淡島様(神功皇后)が流れ着いたとされる神島




  祭  神:少彦名命 大己貴命 息長足姫命
  説  明:現在の祭神は、この三神です。
       ただ、こんなお話が残っています。
      「天照大神の六女・淡島様は、16歳で住吉明神の后になったの
       だが、下の病気(婦人病となっていますが、前後を推察するに、
       性病のことのようです)に罹ったため、綾の巻物・十二の楽器
       と共に、うつろ舟に乗せられて、堺の浜から流され、あくる年
       三月三日に加太の淡島に流れついた。この淡島様が、早速巻物
       に雛型を刻んで遊んだのが、ひな祭りの始まりである」と。
       これは、淡島の願人と呼ばれる、住所不定のお坊さん達が全国
       を行脚しながら広めた「淡島様の功徳縁起」で、江戸時代の随
       筆集「続飛鳥川」等にも収録されているそうです。
      
       翻って、この神社の栞にある由緒を紹介しましょう。
      「神功皇后(息長足姫命)が、西国出兵からの帰途、激しい嵐に
       出会い、神に祈ると、「船の苫を海に投げて、流れのままに船
       を進めよ」とのお告げがあり、その通りにすると、友ケ島に船
       が着いた。この島に、少彦名命と大己貴命が祀られていたので、
       感謝の気持ちを込めて、お祈りされた。そして、神功皇后の孫
       に当たる仁徳天皇が、遠い島では何かと不自由であろう、と、
       二神を対岸の加太のこの地に遷されたのが、加太淡島神社の起
       こりである。」

       少彦名命と、大己貴命は、共に葦原中国(地上世界のことを差
       しますが、大己貴命=大国主命が造られた国なわけですから、
       出雲のことでしょう)を造られた神様で、その国を、天照大神
       の遣わされた建御雷神と経津主神に譲っちゃってるんですよね。
       んでもって、天照大神の子孫であるところの神功皇后が、国を
       譲らせた(結局征服しちゃったってことでしょう)神々を祀る
       ってのが、ど〜も、ウソくさいような・・・。
  住  所:和歌山市加太
  電話番号:073−459−0043
  ひとこと:「淡島」様がうつろ舟で流されたというお話は、実は、全国で
       似たような話しがあるようです。
       澁澤龍彦の「うつろ舟」では、常陸国(今の茨城県)はらどま
       り村に、「年のころ二十ほどに見えて、色白きこと雪のごとく、
       まなこ青く、燃えるような金髪あざやかに長くうしろに垂れ、
       その顔のふくよかに美麗なることは譬えんことない」女性が、
       ガラス張りの「うつろ舟」で流れ着いたなんて話しが紹介され
       ています。

       少彦名命が乗って、大己貴命に近づいて来たという豆のさや
      (天之羅摩船)も、桃太郎の桃、瓜子姫の瓜も、このうつろ舟の
       一種なのでしょう。
       うつろ舟に乗って流されてくるのは、稀人であるのでしょうね。
       
       古代の人にとって、海は、常世や根の国に繋がるところだった
       んでしょう。その海からうつろ舟(入り口がどこにあるのかわ
       からない、丸太に虚ろを作っただけのような舟のことだと思わ
       れます)という神々の乗るような船でたどり着いたのなら、そ
       の中にいるのが、只人であるわけはないでしょう。

       この神社は、毎年雛の節句(三月三日)に、白木の船に山ほど
       の(神社に奉納された)雛人形を積み、海へ流すという、雛流
       し神事が行われます。その神事からも、この神社の縁起は、神
       功皇后ではなく、淡島様なのではないかと思えてなりません。

       この神社は、淡島様のお話から、(哀しい運命の中にある)女
       性の為の神社、女性病の守り神として、また、医薬の祖神であ
       る少彦名命の霊験を見込んで、病気平癒の神として、信仰を集
       めているようです。

       が、人形奉納の神社としても有名な為、境内には、ずらりと人
       形が並んでいて・・・。ちょっと不気味です。
       この神社が5時には閉門してしまい、参拝できないのも全くも
       って頷ける話しです。
       だって、何も知らずに夜暗い中であの人形達に睨まれたら、肝
       冷やしちゃいますからね。
       
       2012年3月3日、雛流し神事に参加してきました。
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