祭 神:常世岐姫命 説 明:常世ってのは、アルカディアとか、ガンダーラとか、天竺とか、 つまり、理想郷ですね。 沖縄で言うところのニナイカナイもそれにあたるでしょう。 八尾市立歴史民族資料館が発行された「寺院と神社の成り立ち」 を見ますと、当社は、近世「八王子社」と呼ばれ、明治以降に なってまた「常世岐姫神社」に改称されたようです。 同冊子には、「延喜式神名帳には、『常世岐姫神社』で記載」 とあります。 住 所:大阪府八尾市神宮寺283 電話番号: ひとこと:理想郷の女神様っていうと、どういう女性を想像しますか? すっごい美人だろうと思って、絵巻物を見ると、実はすごく太 ・・・じゃなくて、豊満な女性神であったりします。 でも、まぁ、豊満な女性が美人とされた時代もあったわけで、 すごい美人神である・・・とも言えますね。 お、そういう時代に生まれてりゃ、私も結構美人だねい。 んでもって、太れば太るほど美人なんだったら、こう、偉そう に「我こそは美人なり」みたいに振舞って、崇拝者作ってさ。 食べ物貢いでもらって、世話もしてもらって、そしたら、何も せず食べてばかりできるわけで、どんどん美人になるや〜ん。 け、けけけけ・・・・・す、すいません。現実逃避してました。 この神社の境内を清めた箒で、妊婦をなでると、安産だという 信仰があるそうで、今でも、安産の祈願で参られる方が多いそ うです。 後 記 この神社に参拝したのは、サイトを始めて間もない頃。 ろくすっぽ知識のないときだったので、説明もひとことも、か なりいい加減なのですが、ありがたいことに、神宮寺地区の区 長さんにお話を伺うことができました。 箒は稲でできているということで、恩智神社でお祓いをしてい ただき、この八王子(常世岐姫)神社でお預かりいただくのだ とか。 妊婦さんのお腹を掃いた箒は、そのままお守りとして授与され るんだそうです。 古語拾遺の中で、鵜草不合葺尊誕生のおり、掃守の神が蟹を掃 いたという文章があります。 引用してみましょう。 「天孫彦火尊、海神の女豊玉姫命を娉ぎたまひて、彦瀲尊を生み ます。誕育したてまつる日に、海浜に室を立てたまひき。時に 掃守連が遠祖天忍人命、供へ奉り陪侍り。箒を作りて蟹を掃ふ。 仍りて、鋪設を掌る。遂に職と為す。号けて蟹守(今の俗に借 守と謂ふは、彼の詞の転れるなり)」 難しい漢字ばっかりなんですが(笑) つまり、彦瀲(ひこなぎさ)尊とは、彦火尊と豊玉姫の御子な わけですから、鵜草不合葺尊と同一と考えてそう遠くはないで しょう。 また、蟹を掃くというのも、面白い所作ですね。 沖縄の民謡には、誕生を祝う蟹の歌があります。 蟹は海の向こう・・・常世からやってくる、魂の運び手ではな かったのでしょうか。 つまり、蟹を掃いた箒とは、生命力の溢れる呪物。 それで妊婦の子宮に、常世から蟹が運んできた魂を込めるので は・・・というのは、うがちすぎた考えでしょうか。 ちなみに、蟹の歌については、鳥取神社の説明に全文引用して あります。 +++++ また、「説明」にありますように、当社は、現在「常世岐姫神 社」と呼ばれており、本来なら「常世岐姫神社」で紹介すべき なんですが、この紹介をアップした当時、なんの知識もなかっ た為、「神社の石柱に書いてある通りに紹介するのが一番だろ う」と思ってたのでございます。 そんなわけで、「常世岐姫神社」で紹介すべきところ、「八王 子神社」で紹介してしまってます。 ややこしくて申し訳ないです(T_T)