祭 神:夜叉ケ池の龍神 説 明:坂内観光協会が配布している夜叉ケ池のパンフレットから、池の伝説を転載 します。 「その昔、美濃の国神戸(現在の安八郡神戸町)に郡司安八太夫という長者 (石原伝兵衛氏の祖先)がいて、たくさんの田んぼをもっていた。ある年、大 変な日照りがつづき、安八太夫をはじめ多くの村人たちは途方に暮れていた。 信心のあつい太夫はこれを救おうと毎日お宮にお詣りしてお願いをかけてい たところ、ある日かわききっ田んぼで小さなへびに出あった。太夫はこのへ びにむかって、『お前が雨を降らせてくれたなら、どんな願いもかなえよう』 と一人ごとを言って家へ帰った。太夫が家に帰ると、不思議に待ちに待った 雨が降り出した。雨は、一日中降り続き、田んぼにたっぷりと水がたまり、 農作物はみんな生き返った。村人たちは小躍りして喜び合った。 その喜びも束の間、雨の翌日へびは山伏姿になって現れ、太夫の三人娘のう ち中の娘を嫁にとつれて、揖斐川をのぼっていった。泣きながらつけた紅、 おしろい、水鏡にうつった不憫な夜叉姫の面影を太夫は忘れることができな かった。その後、安八太夫は、たびたび夜叉ケ池を尋ね、龍神となった夜叉 姫の姿をしのぶのであった。こうしたことがあってから、日照りが続くと村 人たちは、紅、おしろいを土産に、龍の池、夜叉ケ池にささげるならわしと なった。いまも美しい伝説として語り伝えられている」 住 所:岐阜県揖斐郡揖斐川町 電話番号: ひとこと:泉鏡花の『夜叉ケ池』はもう少し複雑なストーリーになっていますが、「雨 乞いのための生贄の乙女が池の主になる」という点はまったく一致していま す。 しかし、鏡花の物語では、龍神は池の氾濫を鎮める役目を負っていて、彼女 がこの地を離れると、村は水底に沈むとなっていました。 また、信心深い娘が龍との約束を守り、日に二回ずつ鐘を鳴らすというモチ ーフはとても興味深い。 佐伎治神社の姉妹鐘の話を思い出しました。 つまり、鐘と雨乞いが関連付けられているという点ですね。 夜叉ケ池までの登山は、300メートルほど登るだけですが、キッツかった!! 「夜叉壁」の名は伊達ちゃいまっせ。 ほんまに壁。 たった100メートル登るだけでも、急な岩場だと緊張感が持続しなくて(^^ゞ でもその壁が池の水をせき止めているのですね。 信仰の対象となるのがよくわかる池でした。