祭 神:素戔嗚命 奇稻田姫 説 明:境内案内板を転載します。 「この地に二山がある。東を雄岡山(241米)、西を雌岡山(249米)。古くから信仰の対象とされている。 神代に素蓋鳴命、奇稻田姫命の二神がこの雌岡山に降臨され、薬草を採取して住民の病苦を救い、農耕を指導 された。二神の間に多くの神々がお生れになり、そのうち大己貴命はこの地で生誕されたと言う。このことか らこの地を神出と言うようになった。降る大同四年平城天皇諸国巡幸のときこの地に立ち寄られ、神代の古事 をしのび三柱の神を勧請祭祀された。これが神出神社のおこりである。 明治七年二月に村社、同十四年に郷社となった。」 「雌岡山と雄岡山 大きさも形も瓜二つの山で、その昔、遠くから眺めると子牛の角のように見えたことから、男牛、女牛といわ れていたそうです。 神話によると、雄岡と雌岡は夫婦の神で、男神の雄岡が小豆島の美人神に惚れたことから、妻が止めるのも聞 かずに鹿に乗り、会いに行きました。その途中、淡路の漁師に弓を撃たれ、男神と鹿は共に海に沈んでしまい まhした。すると鹿は忽ち赤い石になり、それが明石の名称の起こりともいわれています」 住 所:神戸市垂水区神出町東字天王山180 電話番号: ひとこと:裸石神社のすぐそばですし、もともとは裸石神社の陽石と陰石は素蓋鳴命や奇稻田姫に擬せられたのかもしれ ません。 雄岡山と雌岡山の話は、摂津国風土記逸文にある「夢野」の話とそっくりです。 「雄伴の郡。夢野がある。父老相伝えていうことには、昔、刀我野に牡鹿があった。その本妻の牝鹿はこの野に いて、その妾の牝鹿は淡路の国の野島にいた。その牡鹿はしばしば野島に行って妾と仲睦まじいことはくらべ るものがなかった。さて牡鹿は本妻のところに来て宿り、その明くる朝、かれはその本妻に語って『昨夜夢の 中で自分の背に雪が降りつもったと見た。いったいこれはどんな前兆だろう』といった。その本妻は夫がまた また妾のところに行こうとするのを嫌って、嘘の夢合わせをしていった、『背の上に草が生えたのは矢が背に 刺さるという前兆です。また雪が降るのは、食塩を肉に塗られる前兆です。あなたが野島に行ったなら、かな らず船人に出あって海の中で射殺されてしまうでしょう。決して二度と再び行ってはいけません』と。しかし その牡鹿は恋しさに堪えかねてまた野島に渡ったところが、海上で船に行き合ってとうとう射殺されてしまっ た。その故にこの野を夢野という。世間の諺にも『刀我野に立てる真牡鹿も、夢合わせのまにまに』といって いる」 夢野は神戸市兵庫区夢野町のことだそうですから、雌岡山や雄岡山から見ると東南東に10キロ程度でしょうか。 雌岡山は夢占いをしたわけではありませんが、「鹿」「男の浮気」「女の嫉妬」「船人(漁師)」「射殺され る」といったキーワードが共通します。 何かモデルとなった話があるのでしょうが、「雄岡山と雌岡山」、裸石神社の「陽石と陰石」が絡むのかどう か、気になりますね。